ヨーロッパ言語共通参照枠

ヨーロッパ言語共通参照枠（CEFR）

ヨーロッパ言語共通参照枠（Common European Framework of Reference for Languages：CEFR）は、外国語の学習、教授、評価のための国際的なガイドラインです。欧州評議会が1989年から1996年にかけて推進したプロジェクトの中核として開発されました。

目的

CEFRの主な目的は、ヨーロッパの様々な言語における学習者の能力を客観的に評価し、教育方法を改善するための共通の基準を提供することです。これにより、言語学習者は自身の進捗状況を把握し、教育機関はカリキュラムを効果的に設計できます。

共通参照レベル

CEFRは、学習者の言語能力を6つのレベル（A1、A2、B1、B2、C1、C2）に区分しています。各レベルは、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能について、具体的な記述子を用いて定義されています。2018年には改定版が発行され、より詳細な11段階の区分（Pre-A1, A1, A2, A2+, B1, B1+, B2, B2+, C1, C2, Above C2）が導入されました。

各レベルの概要

A1（基礎段階）： 簡単な日常会話や身の回りの情報を理解し、表現できる。
A2（初級）： 身近な話題について、簡単なコミュニケーションができる。
B1（中級）： 日常的な状況で、ある程度スムーズにコミュニケーションができる。自分の興味のある話題について、意見を述べることができる。
B2（準上級）： 複雑な話題について、理解し、議論に参加できる。明確かつ詳細な文章を作成できる。
C1（上級）： 幅広い話題について、高度な語彙と文法を用いて、流暢かつ自然にコミュニケーションができる。
C2（熟達）： ほとんどすべての状況で、容易にコミュニケーションができる。専門的な分野においても、高度な言語能力を発揮できる。

各言語の資格との比較

CEFRのレベルは、TOEICや英検、TOEFLなどの様々な語学検定試験のスコアと対応付けられています。これにより、学習者は自身のCEFRレベルを把握し、目標とする資格の取得に向けて学習を進めることができます。

大学入試への活用

日本の大学入試においても、CEFRは英語力の評価基準として活用されています。大学入試英語成績提供システムを通じて、CEFRと対応付けられた資格・検定試験の結果が、大学の入学選抜に利用されています。例えば、TOEIC L&RとTOEIC S&Wのスコアを合算してCEFRレベルを判定するなどの措置が取られています。

まとめ

CEFRは、ヨーロッパを中心に広く利用されている言語能力の評価基準であり、学習者、教育機関、企業など、様々な関係者にとって有益なツールです。CEFRを活用することで、言語学習の目標設定や進捗管理、教育プログラムの改善などが効果的に行えます。

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