ライダー・ヘシェダル

ライダー・ヘシェダル：カナダが生んだ偉大なグランツール覇者

ライダー・ヘシェダル（Ryder Hesjedal）は、1980年12月9日、カナダのビクトリアで生まれた元プロ自転車競技選手です。ノルウェーからの移民をルーツに持ち、マウンテンバイクレースでキャリアをスタートさせました。

プロロードレーサーへの転身

2004年、ヘシェダルはUSポスタルサービスと契約し、プロのロードレーサーとしての道を歩み始めます。2008年にはガーミン・チポートレ（現キャノンデール・プロサイクリング・チーム）へ移籍し、着実に力をつけていきました。

2010年には、母国カナダで開催されたグランプリ・シクリスト・ド・モンレアルで3位入賞。ベストカナディアン賞と敢闘賞を獲得し、地元ファンを沸かせました。

ジロ・デ・イタリア制覇

ヘシェダルのキャリアにおける最大のハイライトは、2012年のジロ・デ・イタリア総合優勝でしょう。チームタイムトライアルでの区間優勝に貢献し、自身も一時マリア・ローザ（総合首位の証）に袖を通しました。

ホアキン・ロドリゲスとの激しい首位争いを繰り広げ、最終日の個人タイムトライアルで逆転。カナダ人として初めて、グランツール（自転車ロードレースの世界三大大会）の総合優勝を成し遂げました。

ブエルタでの勝利と疑惑

2014年のブエルタ・ア・エスパーニャでは、第7ステージで落車に見舞われながらも2位に入り、不運なアクシデントが注目を集めました。しかし、第14ステージでは見事に区間優勝を果たし、グランツールでの2度目のステージ優勝を飾りました。

この勝利の裏で、ヘシェダルには「モーター・ドーピング」疑惑が浮上。しかし、本人は疑惑を否定し、その後の活躍で実力で勝利を掴んだことを証明しました。

引退とその後

2013年には、過去にエリスロポエチン（EPO）を使用したことを告白。2016年シーズン限りで現役を引退しました。

主な戦績

2001年 世界選手権U23・クロスカントリー2位
2003年 世界選手権・クロスカントリー2位
2007年 国内選手権・個人タイムトライアル優勝
2009年 ブエルタ・ア・エスパーニャ 区間優勝（第12ステージ）
2010年 アムステルゴールドレース 2位
2010年 ツール・ド・フランス 総合7位
2012年 ジロ・デ・イタリア 総合優勝
2014年 ブエルタ・ア・エスパーニャ 区間優勝（第14ステージ）

ライダー・ヘシェダルは、その粘り強い走り、そして何よりもジロ・デ・イタリアでの歴史的勝利によって、カナダの自転車競技史にその名を深く刻み込みました。

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