ライト (デジタルカメラメーカー)

ライト（Light Labs Inc.）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州パロアルトに拠点を置く企業で、コンピュテーショナル・フォトグラフィー分野における研究開発を専門としています。この分野は、複数の画像データを組み合わせて高品質な写真を生成する技術を追求しており、ライト社はその最先端を走る企業の一つです。

ライト社は、音声認識技術のリーディングカンパニーであるニュアンス・コミュニケーションズに買収されたVlingoの創業者であるDave Grannan氏と、クアルコムに買収されたFlarion Technologiesの創業者であるRajiv Laroia氏によって設立されました。これらの技術革新を牽引してきた人物が結集し、新たな写真技術の可能性を切り開くべく設立されたのがライト社です。

ライト社の主な活動

ライト社は、2017年7月に発売された「Light L16」という複眼カメラで広く知られています。このカメラは、複数のレンズを搭載し、撮影された複数の画像を合成することで、高画質の写真を生み出す技術が特徴です。現在では、この技術をさらに発展させ、9つのカメラを搭載したスマートフォンの開発に取り組んでいます。このスマートフォンは、従来のスマートフォンカメラの概念を覆すような、革新的な写真体験を提供することが期待されています。

Light L16の詳細

Light L16は、16個の異なる焦点距離を持つレンズを搭載した複眼カメラです。このカメラで撮影した画像を合成することで、最大5200万画素という驚異的な高画質の画像を生成することができます。さらに、Light L16の大きな特徴は、複数の焦点距離で撮影した元のデータを保存できる点にあります。これにより、撮影後でも画像のピント位置や被写界深度を自由に調整することが可能です。これにより、従来のカメラでは難しかった、よりクリエイティブな写真表現が可能になりました。Light L16のサイズは165mm×84.5mm×24.05mmで、価格は1950ドルでした。

ライト社の沿革

ライト社の設立から現在までの主な出来事は以下の通りです。

2013年：Dave Grannan氏とRajiv Laroia氏によってライト社が設立されました。
2014年6月10日：シリーズAラウンドで、Bessemer Venture PartnersとCrunchFundから970万ドルの資金を調達しました。
2015年7月30日：シリーズBラウンドで、Eclipse、Bessemer Venture Partners、FIH Mobile（鴻海精密工業）、CRV、StepStone Groupから2500万ドルの資金を調達しました。
2015年10月12日：複眼カメラ「Light L16 Camera」が発表されました。
2016年7月6日：シリーズCラウンドで、GV（Google Ventures）から3000万ドルの資金を調達しました。
2017年7月15日：アメリカ国内で「Light L16」が発売されました。
2018年3月21日：イギリス国内で「Light L16」が発売されました。
2018年7月18日：シリーズDラウンドで、ソフトバンク・ビジョン・ファンドとライカから1億2100万ドルの資金を調達しました。

これらの資金調達は、ライト社の技術開発と市場拡大を大きく後押ししました。

まとめ

ライト社は、コンピュテーショナル・フォトグラフィーの分野で、常に革新的な技術を追求し、複眼カメラ「Light L16」や現在開発中のスマートフォンを通じて、写真の新たな可能性を切り開いています。その技術力と資金調達力を背景に、今後の動向が注目される企業の一つです。

もう一度検索