ライヒェンベルクの戦い

ライヒェンベルクの戦い（1757年）

ライヒェンベルクの戦い（ドイツ語: Gefecht bei Reichenberg）は、1757年4月21日にベーメン北部ライヒェンベルク郊外で行われた七年戦争における戦闘です。プロイセン軍がオーストリア軍を破り、その後の戦局に影響を与えました。

背景

1756年の冬、ザクセン軍が降伏した後、プロイセンとオーストリアの両軍は冬営に入り、小競り合いを繰り返しました。プロイセン軍はラウジッツに、オーストリア軍はベーメン北部に駐屯し、それぞれツィッタウとライヒェンベルクを前線基地としていました。

プロイセン軍は1757年の春にベーメンへの大規模な攻勢を計画しており、シュレージエンから西進するシュヴェリーン軍の進軍を容易にするため、ベーメン北部にいるオーストリア軍を北へ誘引する必要がありました。ベーヴェルンは部隊を活発に動かし、オーストリア軍の注意を引きつけました。オーストリア軍はケーニヒスエックの指揮のもと、ライヒェンベルクで防衛戦を計画しましたが、これはプロイセン軍の思惑通りでした。

戦闘の展開

4月20日、プロイセン軍はツィッタウからベーメンへの進撃を開始し、オーストリア軍の前哨部隊と衝突しながら、同日夜にライヒェンベルク北西のハーベンドルフに到達し、野営しました。

オーストリア軍は、ライヒェンベルク北面からイェシュケン山に至るナイセ渓谷の地形を利用して陣を構え、プロイセン軍を待ち構えていました。ライヒェンベルクはズデーテン山地の麓に位置し、西に平地が広がった後、イェシュケン山がそびえ立っています。オーストリア軍はこれらの高地を両翼に、平地に主力部隊を展開しました。

ケーニヒスエックはライヒェンベルクを右翼端の拠点とし、ラシに守らせました。町の周辺は要塞化され、ナイセ川が防御を固めていました。ナイセ川対岸のローゼンタールから西には野戦堡塁が築かれ、その背後に主力歩兵部隊が展開しました。兵力不足のため、平地の右翼から中央は歩兵が守り、中央から左翼はポルポラッティが指揮する騎兵が集中配置されました。イェシュケン山の麓には歩兵が配置され、森の中にも歩兵部隊が配置され、逆茂木が植えられました。騎兵戦においては、両翼の歩兵部隊が側面から敵騎兵を援護する計画でした。オーストリア軍の配置は、騎兵が中央、歩兵が両翼という通常とは逆の配置でした。

ケーニヒスエックは、ライヒェンベルクの堅陣に加え、マクワイア支隊をガーベルに集結させ、ベーヴェルンとの戦闘中にクラツォウに進出させ、プロイセン軍の連絡線を遮断する計画も立てていました。

4月21日早朝、ベーヴェルンはマクワイア支隊が北上し、自軍の連絡線を脅かしているという報告を受けました。輸送部隊を守るため、ベーヴェルンはヴァルネリーに軽騎兵の半分を与えて派遣し、歩兵の一部も追わせました。これにより兵力が劣勢になったものの、ベーヴェルンは攻撃を断行しました。

プロイセン軍は最後の前進を行い、ベルツドルフ川に架橋し、渡河を決行しました。ベーヴェルンは敵の渡河阻止を警戒しましたが、オーストリア軍は陣地に拠って戦うことを選びました。渡河の間、ベーヴェルンはオーストリア軍の陣地を観察し、左翼に攻撃の余地があると判断し、そこへ主攻をかけることにしました。

渡河後、ベーヴェルンはレストヴィッツに主力歩兵戦列を敵正面に抑えさせ、2個擲弾兵大隊に王太子歩兵連隊の援護をつけ、敵左翼端の森に陣取る歩兵を攻撃させました。擲弾兵は銃剣突撃を行い、オーストリア軍歩兵は一斉射撃で応戦しましたが、撤退しました。ベーヴェルンは直ちに騎兵に突撃を命じました。

プロイセン軍騎兵の突撃に対し、オーストリア軍のリヒテンシュタイン竜騎兵連隊は勇敢に立ち向かいましたが、敗走しました。プロイセン軍騎兵は追撃しましたが、森の中からオーストリア軍の歩兵が側面から射撃を浴びせ、プロイセン軍騎兵は混乱しました。オーストリア軍騎兵は態勢を立て直し、反撃しましたが、プットカマー軽騎兵連隊が側面を突くと、再び崩れました。プロイセン軍騎兵は再攻撃を行い、ポルポラッティが戦死し、騎兵戦はプロイセン軍の勝利に終わりました。

騎兵部隊の敗走により、オーストリア軍の戦列に穴が開きました。ベーヴェルンは騎兵部隊と右翼歩兵部隊を前進させ、レストヴィッツの主戦列も前進させました。オーストリア軍の歩兵戦列は健在でしたが、左翼側面が露呈し、敵騎兵に後方に回り込まれる恐れがありました。ケーニヒスエックは撤退を決意し、ラシが後衛を務め、オーストリア軍は隊伍を保って撤退しました。

ライヒェンベルクでの本戦中、後方のクラツォウ付近ではマクワイアがプロイセン軍の連絡線に進出しましたが、ヴァルネリーがナイセ川沿いに騎兵を展開して渡河を阻止したため、目的を達成できませんでした。マクワイアはガーベルに後退し、本隊に合流するため南下しました。

プラハ会戦へ

プロイセン軍は勝利し、ライヒェンベルクを占領しました。ケーニヒスエックはリーベナウまで後退し、マクワイアと合流し、再び陣を敷いてプロイセン軍を待ち構えました。ベーヴェルンはリーベナウに進出しましたが、陣地が堅固なのを見て手出しをしませんでした。

ベーヴェルン軍とケーニヒスエック軍が対峙する間、シュヴェリーン軍がベーメンに進軍していました。シュヴェリーンはエルベ川を渡り、ベーヴェルン軍と合流するため西進しました。ケーニヒスエックはリーベナウの陣地を放棄し、プロイセン軍の包囲から脱出しました。

シュヴェリーンはベーヴェルンとの合流を図りつつ、ユング・ブンツラウの奪取を目指しました。ケーニヒスエックはユング・ブンツラウを救出しようとしましたが、シュヴェリーンはオーストリア軍の渡河を阻止し、ユング・ブンツラウを占領しました。

ケーニヒスエックはエルベ左岸ブランダイスに撤退し、エルベ川を障害にしてプロイセン軍の南下を阻止しようとしました。シュヴェリーンはケーニヒスエックをプラハに呼び戻したカール公子の意向により、エルベ川を渡河し、プラハ会戦へと繋がっていきました。

脚注

参考資料

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* Project SYW 1757-04-21 - Combat of Reichenberg

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