ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団（Gewandhausorchester Leipzig）は、1743年に設立されたドイツの名門オーケストラです。本団体は世界で初めて市民階級によって自主的に運営されたオーケストラとして知られ、 従来の宮廷楽団とは異なり、入場料を支払えば誰でもその演奏を楽しめる環境を整えました。この先駆的な取り組みは、音楽が特定の階級だけの特権ではなく、広く普及するための第一歩でした。

1835年には、著名な作曲家フェリックス・メンデルスゾーンがカペルマイスターに就任し、オーケストラの技術的な水準が向上しただけでなく、楽員の福利厚生制度の樹立推進により、その運営基盤も飛躍的に強化されました。これ以降、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、メンデルスゾーン、シューマン、ブルックナーといった多くの作曲家の作品の初演を手掛け、彼らとの強い結びつきを持つことがオーケストラの特長とされています。

オーケストラの本拠地は1981年に完成した現ゲヴァントハウスであり、これが三代目のホールです。初代のゲヴァントハウスは1781年に設立され、以降、代替わりしながらも常にオーケストラの名称の由来となっています。このホールには、初代から伝わるオーケストラのモットーが掲げられ、現在もその精神が息づいています。

ライプツィヒ歌劇場のオーケストラとしても機能していて、オペラとコンサートの両方で活躍しています。オーケストラの団員数は200名以上に及び、出演者はローテーションで演奏に加わることで、多様なプログラムを提供しています。

また、オーケストラが関与する関連演奏団体として、世界最古の弦楽四重奏団であるゲヴァントハウス弦楽四重奏団（1808年設立）や、ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団があります。特に弦楽四重奏団はメンデルスゾーンやブラームスといった著名作曲家が関与したエピソードも有名です。

1861年からは声楽部門としてゲヴァントハウス合唱団が設立され、1879年のブラームスの「ドイツ・レクイエム」の演奏で合唱を担当しました。

歴史的な出来事

ゲヴァントハウス管弦楽団の歴史には数多くの重要な出来事があります。1743年の設立から、1744年には1周年記念コンサートが行われ、1756年には七年戦争の影響を受け一時活動が停止しました。1781年には初代ゲヴァントハウスでの演奏が開始されるなど、数々の節目を経て成長を続けてきました。

19世紀に入ると、メンデルスゾーンの指揮のもとで非常に重要な作曲作品が初演されることが多く、これがオーケストラの名声をさらに高める結果となりました。

20世紀に入ると、第一次世界大戦やナチスによる困難な時期を乗り越え、数多くの名ディレクターがオーケストラに貢献しました。その中で、1961年に初来日を果たした際には、ベートーヴェンの交響曲全曲演奏が行われ、その記録は今も語り継がれています。

現在の活動

2023年現在、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は新たな音楽監督アンドリス・ネルソンスを迎え入れ、伝統を守りつつ革新的な演奏を続けています。また、彼らは国際的な公演にも力を入れており、世界各国の音楽愛好者にその魅力を届けています。音楽を通じた文化交流の重要性が増す中、彼らの貢献はますます大きなものとなっています。

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