ライラの冒険 黄金の羅針盤

映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』の概要

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』（原題：The Golden Compass）は、2007年に公開されたアメリカの実写映画です。この作品は、イギリスの著名な作家フィリップ・プルマンのファンタジー小説シリーズ「ライラの冒険」の第1巻を原作としています。映画は、特に高い制作費と豊富な映像表現で注目を集めました。日本では2008年の冬に先行上映され、その後正式に公開されました。

制作背景と評価

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』の製作には、様々な分野の専門家が関わり、特に小道具の製作には力を入れました。たとえば、実際の鍛冶部屋を用いて作成した羅針盤など、多くのこだわりが詰まった作品です。しかし、興行成績は北米においては期待を下回る結果となり、1億8000万ドルの製作費に対し、公開初動で2610万ドルの売上しか上げられませんでした。一方、北米を除く地域では3億ドル以上の興行収入を記録し、特にイギリスでは好成績を収めました。

製作スタッフ

本作の監督はクリス・ワイツで、彼は脚本も手掛けています。製作にはデボラ・フォートやビル・カラッロが名を連ねており、多くの経験豊富なプロデューサーが参加しました。撮影にはヘンリー・ブラハム、衣装デザインにはルース・マイヤーズ、音楽にはアレクサンドル・デスプラが起用され、視覚効果や特殊効果にも高い技術が使われました。これらの要素が合わさり、映画の世界観を豊かにしています。

物議を醸した続編の製作

2008年10月、続編の制作が無期限で延期されることが発表され、その理由には当時の金融危機の影響が指摘されました。しかし、2009年12月には制作会社が続編の断念を発表します。この決定に対して、原作の作者であるフィリップ・プルマンは遺憾の意を表明しました。特に、北米のカトリック連盟が映画を「子供に無神論を奨励する作品」としてボイコット運動を展開したことが、制作中止の一因として挙げられました。

賞歴と受賞歴

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』は、アカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされた他、英国アカデミー賞では特殊視覚効果賞を受賞するなど、技術的な評価も受けています。また、全米美術監督組合賞のファンタジー部門でも美術賞を受賞しました。これらの受賞歴が作品のクオリティを裏付けています。

ゲーム展開

映画の人気に伴い、同名のゲームがセガから2008年に発売されました。PS3版とDS版がリリースされましたが、当初計画されていたWiiやPSP向けの発売は中止となりました。このゲームもまた、映画のストーリーを元にした内容で、多くのファンの関心を集めました。

まとめ

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』は、その独特の世界観と技術的な完成度によって、多くの人々に長く記憶される作品となりました。興行成績には波紋があったものの、ビジュアルやスタッフの努力は高く評価されています。映画やゲームという形での展開は、多くのファンに支持されています。

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