イングヴェイ・ヨハン・ラーシュ・マルムスティーンによる公式ライブ
アルバム『ライヴ!!』は、
1998年に世に送り出されました。これは彼のキャリアにおいて、二作目にあたるライブレコーディング作品となります。
本作に収められている音源は、彼が1997年にリリースしたスタジオ
アルバム『
フェイシング・ジ・アニマル』の発表に伴って開催されたワールドツアーの中から、南米地域、特に
ブラジルで行われた公演での演奏を中心に選ばれています。当時のツアーにおけるバンドの熱気と、
ブラジルの聴衆のエネルギーが詰まったベストテイクが収録されているとされています。
日本国内でのリリースに際して、
アルバムのジャケットには「王者降臨!イングヴェイ、約10年ぶりのライヴ・
アルバム遂に登場!98年5月初旬に行われた
ブラジル・ツアーの模様を収録。」というキャッチコピーが記された帯が添付されました。これは、前作の公式ライブ
アルバム『トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード』からおよそ10年ぶりとなるライブ盤リリースであり、その収録時期と場所が明確に示されている点でも注目されました。
国際的なリリースにおいては、特に本国アメリカでは、Spitfire Recordsより2000年に発売されており、その際のタイトルは『Double Live』と改題されています。タイトルこそ異なりますが、内容は日本盤と同様に、当時の白熱したパフォーマンスを記録したものです。
さらに特筆すべきは、日本盤の初回プレスにおいて、
ブラジルの著名なハードロックバンドであるDr.SinのライブEP『Live in Brazil』がボーナスディスクとして付属していたことです。これは、
ブラジル公演という本作の収録地の縁に加え、当時の日本のレコード市場における販売戦略としてもユニークな試みでした。
このライブ
アルバムに参加しているメンバーは以下の通りです。
イングヴェイ・マルムスティーン: リード及びリズムギターの演奏に加え、一部の楽曲(具体的にはディスク2のトラック9)ではリードヴォーカルも担当しています。彼のトレードマークである超絶的な速弾きとクラシカルなフレージングが存分に披露されています。
マッツ・レヴィン: バンドのメインヴォーカリストとして、力強く伸びやかな歌声を披露。イングヴェイの複雑な楽曲を歌い上げています。
マッツ・オラウソン: キーボードを担当。楽曲に奥行きとシンフォニックな要素を加え、バンドサウンドの重要な一部を担っています。
バリー・ダナウェイ: ベーシストとして、イングヴェイのギタープレイを支える堅固なリズムの土台を提供しています。
*
ヨナス・オストマン: ドラマーとして、パワフルかつテクニカルなドラミングでバンドの演奏を牽引し、ライブならではの躍動感を生み出しています。
アルバムは二枚組として構成されており、当時のセットリストから代表曲や人気曲が選ばれて収録されていると推測されます(詳細な曲目リストは別途参照が必要となります)。『ライヴ!!』は、『
フェイシング・ジ・アニマル』という名作発表後の充実した時期における、イングヴェイと当時の強力なバンドメンバーによるライブパフォーマンスを記録した貴重な音源であり、ファンにとっては彼のライブにおける魅力を知る上で欠かせない一枚と言えるでしょう。