ライヴ・アット・マッセイ・ホール1971

ライヴ・アット・マッセイ・ホール1971

『ライヴ・アット・マッセイ・ホール1971』は、カナダ系アメリカ人ミュージシャンであるニール・ヤングのライヴ・アルバムです。2007年に発表されたこのアルバムは、1971年1月19日にカナダのトロントに位置するマッセイ・ホールで行われたヤングのソロ・ツアー『Journey Through the Past Solo Tour』のパフォーマンスを音源化したものです。これは、ヤングのアーカイヴス・パフォーマンス・シリーズの第2弾となります。

アルバムは、リリース後に瞬く間に話題を呼び、初週にカナダで10,000枚以上が売り上げられ、ビルボードのチャートでも最高6位まで上昇しました。この成功は、ヤングの音楽が多くの人々に支持されていることの証左です。また、彼のアコースティック・スタイルが新たなファンを獲得するきっかけにもなりました。さらに、このアルバムには特典として、シェイクスピア・シアターでの公演映像を収めたDVDが付属しています。

セットリスト

『ライヴ・アット・マッセイ・ホール1971』には、実際に演奏された曲のほとんどが当時のファンにはあまり知られていないものでした。このライヴにおけるセカンド・セットでは、演奏された18曲のうち8曲がすでにリリース済みのレコードからのもので、特にバッファロー・スプリングフィールドやクロスビー、スティルス、ナッシュ＆ヤングの曲が含まれています。中でも注目すべきは、後に名盤『ハーヴェスト』に収録される「A Man Needs a Maid」の原曲や新たに初登場した「Bad Fog of Loneliness」です。

他にも、「Love in Mind」「Journey Through the Past」「See the Sky About to Rain」などが演奏されており、これらは後に彼の1970年代の作品に収録されることになります。また、多くの曲は、当時のライヴでのパフォーマンスと非常に似通った雰囲気で収録されており、ヤングの音楽が持つ生のエネルギーを感じさせます。

DVD内容

アルバムの特典として付属されたDVDには、マッセイ・ホールでのコンサート自体の映像は含まれていませんが、3日後にコネチカット州で録画されたパフォーマンスの映像が音声とともに収録されています。このフィルムは、オランダのドキュメンタリー映画監督によって制作されたもので、ドイツでは放送されたものの、オランダでは未放送だったという歴史があります。また、他の映像には1971年2月の「ジョニー・キャッシュ・ショー」からのパフォーマンスや、コンサートの背景に関するインタビュー映像も含まれています。

リリースの背景

旅の途中にあったこのアルバムのリリースが1971年に予定されていたものの、ヤングはその時期に体調を崩して療養していたため、予定が遅れました。この年は彼にとって、新作スタジオ・アルバムがリリースされない最後の年となり、当時の医療的な課題が彼の創作活動に影響を与えていたことが伺えます。しかし、結果的にはこのライヴ・アルバムがリリースされ、彼の音楽の重要な一部分として残ることになりました。

本アルバムは、ヤングの音楽の深さや歴史を感じさせるだけでなく、アコースティック・パフォーマンスの魅力を余すところなく出し切った作品として、多くのファンに愛されています。

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