ラウトレッジ

ラウトレッジについて

ラウトレッジ（Routledge）は、イギリスの著名な出版社で、人文科学や社会科学の分野に特化した学術文献を中心に扱っています。創立は1836年で、当初はジョージ・ラウトレッジと彼の義兄であるW.H.ウォーンが共同でロンドンで書店を開業したことに始まります。この書店は「Camden Publishing」と名付けられました。1851年には、フレデリック・ウォーンとの提携で「George Routledge & Co.」を設立しました。

その後、1858年に社名を「Routledge, Warne & Routledge」に変更しましたが、ウォーン家の離脱を受けて、「George Routledge and Sons」と再び改名しました。この時期、絵入り小説や旅行ガイド、辞典などを多数出版し、取り扱う文献の幅を広げていったのです。

会社の転機

1902年には経済的困難に直面しましたが、その後立ち直りを図りました。この復活を機に、他の出版社との合併を進めることになります。1903年にはJ.C. Nimmo Ltd.を買収し、1912年にはKegan Paul, Trench, Trübner & Co.と合併し、「Routledge and Kegan Paul Ltd.」という新たな社名に変わりました。この合併により、ラウトレッジはロンドンの有力な出版社としての地位を確立し、様々な学術書の版権を獲得することに成功しました。

その後、学術書の出版に焦点を当て、特に社会科学において重要な出版社として名を馳せることになります。1985年にラウトレッジ・アンド・キーガン・ポール社は出版社連合（ABP）の傘下に入りましたが、その後1987年にABPがインターナショナル・トムソンに買収されても、ラウトレッジの名称や経営は維持されました。1996年には、非公開投資会社シンヴェンによる管理買収が行われ、ラウトレッジは独立企業として再スタートを切りました。

1998年には、テイラーアンドフランシスがラウトレッジの買収を行うにあたり、「インプリント」の名称を維持することを条件に受け入れました。2004年からは、テイラーアンドフランシスが合併によりインフォルマの傘下に入りますが、ラウトレッジはその中でも人文および社会科学の学術書を刊行し続けています。

現在、ラウトレッジは約1200のジャーナルを持ち、年間で2000以上の新刊を発行し、35,000以上のタイトルをそろえています。

重要な人物

20世紀初頭には、著名な出版人フレデリック・ウォーバーグがラウトレッジで委嘱編集者を務めていました。彼の貢献は、ラウトレッジにとって重要な歴史の一部となっています。

百科辞典の発行

ラウトレッジはかつて数種類の百科事典を出版していましたが、2006年にテイラーアンドフランシス傘下になった後に不採算理由で百科事典部門が廃止されました。しかし、『ラウトレッジ哲学百科事典』は現在もオンラインで発行が続いています。他にも、国際政治経済や古生物学に関する百科事典も出版されていました。

このように、ラウトレッジは数世代にわたる歴史を持ち、学術界に多大な影響を与え続けている出版社と言えるでしょう。

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