ラウフフェルトの戦い

ラウフフェルトの戦い

ラウフフェルトの戦いは、オーストリア継承戦争中の1747年7月2日に、現在のベルギー領内ラウフフェルト近郊で発生しました。フランス軍によるネーデルラント侵攻の一環として行われ、モーリス・ド・サックス元帥率いるフランス軍と、カンバーランド公ウィリアム・オーガスタス率いるイギリス、ハノーファー軍、オラニエ公ウィレム4世率いるネーデルラント連邦共和国軍などの同盟軍が激突しました。

戦いの背景

フランスは、ネーデルラントへの侵攻を進めており、同盟軍はマーストリヒトを防衛拠点としていました。サックス元帥は、クレルモン侯率いる分遣隊を派遣して同盟軍を誘い出し、カンバーランド公がこれに乗り出して攻撃、勝利を収めました。しかし、これはサックス元帥の策略であり、その間にフランス本軍は自ら選んだ戦場へと移動、同盟軍を待ち構える形勢となりました。

戦闘の経過

カンバーランド公は、フランス本軍との対峙を余儀なくされました。ジョン・リゴンアー将軍は、同盟軍の前方にある村を占領し要塞化することを進言しましたが、カンバーランド公はこれを聞き入れませんでした。右翼のオーストリア軍は、ロクールの戦いと同様に、フランス軍左翼への攻撃を拒否しました。フランス軍はラウフフェルトに対して5回にわたり突撃を繰り返し、激しい攻防戦が繰り広げられました。最終的に、サックス元帥率いるフランス軍がラウフフェルトを制圧し、戦況を優位に進めました。

最後の攻撃では、フランス軍の縦隊がイギリスとヘッセンの兵士1万人をラウフフェルトから追い出すことに成功しました。カンバーランド公は、オランダ軍とイギリス軍を再編成して反撃を試みましたが、オランダ騎兵はフランスのカラビニアー部隊の突撃を受けて撃破され、混乱に陥りました。フランス騎兵は同盟軍の中央部に攻撃を加え、フランス軍全体が前進したことで、同盟軍左翼のイギリス歩兵は壊滅の危機に瀕しました。リゴンアー将軍は、独断で騎兵を突撃させ、イギリス歩兵の全滅を辛うじて防ぎました。

この戦闘は、オーストリア継承戦争を通して最大規模の騎兵戦となり、総勢1万5千騎の騎兵が参戦しました。フランス軍のアイルランド大隊は、7個連隊で1,400人以上の死傷者を出すという大きな損害を受けました。イギリス国王ジョージ2世の最愛の息子であったカンバーランド公は、アイルランド大隊が赤い服を着ていたため自軍と誤認し、危うく捕虜にされるところでした。リゴンアー将軍が騎兵の大部隊を率いて駆けつけたことで、カンバーランド公は間一髪で逃れることができましたが、その威信は大きく損なわれました。

戦いの影響

フランス軍の勝利により、ネーデルラント連邦共和国への障害はほぼ取り除かれました。同盟軍が撤退したことで、サックス元帥はレーヴェンタール伯爵率いる3万の兵力を北に派遣し、ベルヘン・オプ・ゾームを陥落させました。1747年の戦役はこれで終わり、翌1748年の戦役が始まると、サックス元帥はマーストリヒトを包囲し、5月7日に陥落させました。マーストリヒトの包囲を受けて、講和交渉が4月に開始され、10月のアーヘンの和約によってオーストリア継承戦争は終結しました。サックス元帥の連勝と、それに伴う同盟軍のネーデルラントにおける敗退は、フランスが有利な条件で和平交渉を進める上で大きく貢献しました。

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