ロクールの戦い

ロクールの戦い：オーストリア継承戦争におけるフランスの勝利

ロクールの戦いは、1746年10月11日に、オーストリア継承戦争中、現在のベルギー・リエージュ近郊のロクールで発生しました。フランス王国軍が、オーストリア、イギリス、ハノーファー、オランダの連合軍を打ち破った戦いです。フランスの勝利ではありましたが、フランス軍を率いたモーリス・ド・サックス元帥が期待したほどの決定的な勝利には至りませんでした。

戦いの背景

モーリス・ド・サックス率いるフランス軍は、フランドル地方への侵攻をほぼ終え、ネーデルラント地域を脅かしていました。これに対し、国事詔書を支持する同盟軍は、カール・アレクサンダー・フォン・ロートリンゲンを総司令官とし、イギリス軍はサー・ジョン・リゴンアーが率いていました。同盟軍はリエージュ近郊に布陣し、ヴァルデック侯率いるオランダ軍がリエージュからロクールにかけての左翼を、イギリスとハノーファー軍が中央を、オーストリア軍が右翼をそれぞれ守備しました。

戦闘の経過

フランス軍は、同盟軍の左翼、すなわちリエージュとロクールの間に位置するオランダ軍に攻撃を集中しました。フランス軍は兵力でオランダ軍を圧倒し、3度目の突撃でこれを撃破。オランダ軍はイギリス軍とハノーファー軍の後方へと撤退しました。フランス軍が徐々に前進するにつれて、同盟軍全体が後退を余儀なくされました。一方、同盟軍右翼のオーストリア軍は、フランス軍からの攻撃を受けることなく、また自ら進んでフランス軍左翼を攻撃することもしませんでした。

リゴンアー率いる騎兵隊と、イギリス、ハノーファー、オランダの歩兵の一部は、後衛として撤退する同盟軍をフランス軍の追撃から守る役割を果たしました。フランス軍は戦術的には勝利を収めましたが、同盟軍も秩序を保って撤退に成功しました。その後、フランス軍はリエージュを占領しました。

戦いの結果と影響

ロクールの戦いは、モーリス・ド・サックス元帥にとって、3つの大きな勝利のうち2番目にあたります。フランス軍は勝利の直後にリエージュを占領し、その後の戦局を通じて、オーストリア領ネーデルラントにおけるオーストリアの支配を崩壊させることに成功しました。この戦いは、オーストリア継承戦争の帰趨に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

Browning, Reed. The War of the Austrian Succession, St. Martin's Press, New York, (1993): ISBN 0-312-12561-5
Chandler, David. The Art of Warfare in the Age of Marlborough. Spellmount Limited, (1990): ISBN 0-946771-42-1
Skrine, Francis Henry. Fontenoy and Great Britain's Share in the War of the Austrian Succession 1741-48*. London, Edinburgh, 1906.

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