ラウンド菓子

ラウンド菓子とは

ラウンド菓子とは、主に百貨店の食品売り場などで展開されていた、独特な販売方法で提供されるお菓子のことを指します。その特徴は、100種類を超える様々なチョコレートやキャンディなどが、環状の回転式販売台（ラウンド什器）に並べられている点です。メリーゴーランドのようにゆっくりと回転する台から、欲しいお菓子を自分で選び、かごに入れて量り売りしてもらうという、わくわくするような購買体験が魅力でした。

この販売台と、そこに並べられたお菓子は、名古屋に拠点を置く菓子問屋、松風屋によって提供されていました。松風屋はこのシステム全体を「スイートプラザ」と名付け、ブランド展開を行っていました。最初に導入されたのは、大阪市の大丸心斎橋店、阪急百貨店うめだ本店、そして名古屋市の名鉄百貨店の3店舗でした。その後、全国のデパートへと広がり、最盛期には150店舗以上で展開されるほどの人気を博しました。

しかし、時代の変化とともに、ラウンド菓子を提供する店舗は減少傾向にあります。それでも、いくつかの店舗では現在もその姿を見ることができます。

現在もラウンド菓子が楽しめる場所（一部）

北海道
ぴゅあ めいど まーけっと釧路フィッシャーマンズワーフMOO本店（釧路市）
北見市北見駅前「パラボ」地下（2023年9月現在）
北陸
石川県
大和香林坊本店（金沢市）
九州
福岡県
井筒屋小倉店（100ｇ＝199円の計量販売）（2012年10月現在）
井筒屋黒崎店（2014年12月現在）
岩田屋久留米店
長崎県
佐世保玉屋（100ｇ＝160円の計量販売）
大分県
トキハわさだ店（100ｇ＝168円の計量販売）

かつて存在した場所

北海道
くしろデパート（釧路市）地階
藤丸（帯広市二代目店舗）地階
石川県
旧金沢本店（のちの「ラブロ片町」）地階


ラウンド菓子は、単にお菓子を量り売りするだけでなく、選ぶ楽しさや、少しずつ色々なお菓子を試せるという魅力がありました。また、デパートという特別な場所で、少し贅沢な気分を味わえるという点も、多くの人に愛された理由の一つでしょう。近年、再び注目を集めつつある量り売りという販売方法で、そのユニークなスタイルは、今もなお人々に記憶されています。

関連項目

嫁入り菓子

外部リンク

松風屋
* 松風屋|100種類以上の中から、好きなお菓子をお好きなだけ

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