大丸

大丸百貨店の歴史と概要

大丸の基本情報

大丸（だいまる、DAIMARU）は、J.フロントリテイリンググループに属する百貨店で、日本国内に複数の店舗を持つ。京都で1717年に創業され、元々は呉服店としてスタートした。経営理念は「先義後利」であり、顧客第一を追求する方針を貫いている。

店舗とその特徴

大丸は、心斎橋、梅田、京都、神戸、東京、札幌といった主要都市に店舗を展開しており、心斎橋店が本店として知られている。主力店舗は強いブランド力を持ち、神戸店は高級百貨店として特に有名で、売上高は839億円に達する。各店舗の売上の91%は主要6店舗から生成されている。

最初の店舗である「大文字屋」は、京都の伏見に開業された。1726年には大阪に進出し、商売を拡大した。百貨店としての転換は1928年に行われ、ここから大丸ブランドが確立された。

経営の変遷

高度成長期には、三越と並んで「西の横綱」と称されるまでになったが、時の流れとともに経営環境は変化した。1990年代のバブル崩壊後、業績は低迷し、経営改革が求められた。奥田務社長の下で1998年から事業構造改革が行われ、国内ブランドの見直しや不採算店舗の閉鎖が進められた。

商標と呼称

大丸の「丸に大」の商標は、創業時に「大文字屋」に由来し、名古屋に進出する際に「大丸屋」に改称した。この商標は大丸のアイデンティティとして広まり、近畿地域では店舗の呼称が「〜みせ」となる独自の文化を形成している。

名物商品

大丸の名物として知られるのが「大丸饅頭」だった。かつて神戸店で販売されていた蒸し饅頭で、震災の影響で一時販売を中止したが、特別なイベントとして再現されたこともある。現在、そのような地域特有の名産品やお土産なども多く取り揃えている。

経営統合と新会社設立

大丸は2007年に松坂屋との経営統合を発表し、持株会社として「J.フロントリテイリング株式会社」を設立。その後、2010年には松坂屋を存続会社とし、新法人「株式会社大丸松坂屋百貨店」を設立したことにより、大丸という法人は解散した。

現在の動向

現在、大丸は店舗のリニューアルや新たなビジネスモデルの構築を進めており、特に集客を意識したテナント構成の見直しや地域密着の一般商品の導入を図っている。また、近年ではオンライン店舗の導入も推進し、さらにブランドの価値を高めるべく努力している。

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