ラガルデール

ラガルデール社の歴史と事業概要

ラガルデール社は、フランスを拠点とするグローバル企業であり、そのルーツは1945年にマルセル・シャサニーが設立した航空機製造会社「マトラ」に遡ります。その後、ジャン・リュック・ラガルデールが経営に参画し、企業の成長を大きく牽引しました。

ラガルデールの歴史は、大胆な買収と戦略的な事業再編によって彩られています。1981年には出版・メディア企業のアシェットグループを買収し、出版分野への本格参入を果たしました。その後、航空宇宙事業や防衛事業にも進出するなど、多角的な事業展開を推進しました。しかし、2000年代に入ると、自動車事業からの撤退や、インターネット事業の売却など、事業ポートフォリオの再編に着手します。

2007年には、事業を「ラガルデール・パブリッシング」「ラガルデール・サービス（後のラガルデール・トラベル・リテール）」「ラガルデール・アクティブ」「ラガルデール・スポーツ」の4部門に再編しました。その後、メディア事業やスポーツ事業の一部売却などを経て、現在は出版と旅行小売事業を中核に据えたビジネスモデルへと移行しています。

出版事業: ラガルデール社の出版事業は、世界的に有名なアシェット・ブック・グループを中心に展開されています。アシェット・ブック・グループは、フランス、イギリス、スペイン、アメリカ合衆国など、多くの国で出版事業を展開しており、数多くのベストセラーを生み出しています。 その傘下には、アシェット・リーブル(フランス)、Hachette UK(イギリス)、Hachette Book Group(アメリカ)など、主要な出版社が多数存在します。

旅行小売事業: ラガルデール・トラベル・リテールは、世界中の空港や駅などで、免税店や飲食店などを運営する大手企業です。空港や駅といった旅行客の利用頻度が高い場所での展開により、安定した収益を上げています。日本においては、2020年にラガルデール・トラベル・リテール株式会社を設立し、有名パティシエであるピエール・エルメと提携したコンセプトショップなども展開しています。

その他の事業: ラガルデール社は、出版と旅行小売以外にも、メディア事業やエンターテインメント事業などに携わってきました。近年は、これらの事業を縮小または売却し、コア事業への集中を進めています。

日本におけるラガルデール: 日本においては、アシェット・グループを通じて、ファッション雑誌「ELLE」関連ブランドの開発や販売を行っています。また、ラガルデール・トラベル・リテール株式会社が、空港などにおける旅行関連ビジネスを展開しています。

Vivendi傘下への参入: 2023年11月には、フランスの大手メディアグループであるVivendi SEの傘下に入りました。この買収により、ラガルデール社はVivendiグループのメディア事業とのシナジー効果を生み出すことが期待されています。今後の事業展開に注目が集まります。

ラガルデール社の歴史は、積極的なM&A戦略と、時代の変化に合わせた柔軟な事業再編によって築き上げられてきました。今後の成長戦略にも注目が集まります。

主要子会社:

LAGARDÈRE MEDIA SASU
アシェット・リーブル
HACHETTE UK HOLDING LTD
HACHETTE LIVRE ESPANA
GRUPO ANAYA SA
LAGARDÈRE TRAVEL RETAIL SASU
LAGARDÈRE ACTIVE SASU
LAGARDÈRE LIVE ENTERTAINMENT SAS
* LAGARDÈRE NORTH AMERICA INC

このリストは主要子会社の一部であり、他にも多くの関連会社が存在します。

ラガルデール社の将来は、出版と旅行小売市場の動向、そしてVivendiグループとの連携に大きく左右されるでしょう。今後、更なる成長と発展が期待されます。

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