ラグパティ・ヴェンカイアー・ナイドゥ

ラグパティ・ヴェンカイアー・ナイドゥについて

ラグパティ・ヴェンカイアー・ナイドゥ（1887年10月15日 - 1941年3月15日）は、インド映画史において重要な位置を占める映画製作者であり、特に「テルグ語映画の父」として知られています。彼はサイレント映画やトーキー映画の先駆者として位置づけられ、長い映画キャリアを通じてインド映画界に多大な影響を与えました。

生い立ち

ナイドゥは、アーンドラ・プラデーシュ州のマチリーパトナムで、陸軍将校スベダール・アッパイアー・ナイドゥの次男として誕生しました。兄のラグパティ・ヴェンカターラトナム・ナイドゥは教育者であり、社会的な活動にも携わっていました。ナイドゥ家は、イギリス東インド会社の軍司令官を務めた先祖を持ち、その影響も受けながら育ちました。18歳でマドラスに移住したナイドゥは、絵や彫刻といった芸術活動を開始し、その後、写真技術を学び自らの写真スタジオを開業しました。

映画キャリア

1909年、ナイドゥは音楽と映像を同時に投影できるプロジェクター「クロノ・メガフォン」をイギリスから輸入しました。このプロジェクターの代金として3万ルピーが必要で、ナイドゥは自らの写真スタジオを貸し出してその資金を集めました。彼は短編映画の制作に着手し、1910年にはヴィクトリア公会堂で上映会を行いました。これが好評を博し、バンガロール、ヴィジャヤワーダ、さらにはスリランカやラングーンといった場所でも上映会が行われました。

彼は続いて1912年にマドラスに初の常設映画劇場「ゲイティ・トーキーズ」を開設し、映画界におけるオーナーとしての足場を固めました。この後も、クラウン・シアターやグローブ・シアターといった劇場を次々と建設し、多様な映画を上映しました。アメリカやイギリスの映画も取り入れ、観客の関心を集めました。

1919年には映画製作会社「スター・オブ・イースト・フィルム」を設立し、長編映画製作を志向しました。彼は息子のラグパティ・スーリヤ・プラカーシュをロンドンに派遣し、映画制作の技術を学ばせました。スーリヤ・プラカーシュは1923年にアメリカの映画監督セシル・B・デミルのもとで経験を積み、帰国後に父と共に長編映画『Meenakshi Kalyanam』を製作しました。さらに、彼らは『Gajendra Moksham』『Mathsyavatharam』『Nandanaar』などの映画を手がけました。

1921年には、初のテルグ語サイレント映画『Bhishma Pratigna』を発表し、映画界に新たな風を吹き込みました。しかし、後に設立した会社「ギャランティ・ピクチャーズ・コーポレーション」が製作した『Dasavataram』や『Kovalam』は成功を収めることができず、大きな負債を抱えることとなりました。最終的には1929年に全権利を息子に譲り、映画製作の現場から退いたナイドゥは、1941年にこの世を去りました。

貢献と評価

ナイドゥの功績を称えるために、「ラグパティ・ヴェンカイアー賞」という賞が創設されており、テルグ語映画の発展に寄与した人々への特別な評価として現在でも続いています。彼の先駆的な取り組みは、多くの後進に影響を与え、インド映画界の発展に寄与し続けています。

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