ラサロ・カルデナス

ラサロ・カルデナス・デル・リオについて

ラサロ・カルデナス・デル・リオ（1895年5月21日 - 1970年10月19日）は、メキシコの命運を大きく変えた政治家であり、1934年から1940年までの大統領として知られています。20世紀のメキシコにおいて、彼は国民的な人気を誇り、ポピュリストと称されました。彼は社会改革や国有化政策を積極的に推進し、国民の支持を受けました。

来歴

カルデナスはメキシコ中部のミチョアカン州で生まれ、若い頃から政治に関わりました。1913年、18歳の時にメキシコ革命に参加し、アルバロ・オブレゴンの護憲革命軍で騎兵隊の指揮官となりました。オブレゴン政権下では、彼は1928年にミチョアカン州知事に就任し、その後国民革命党（PNR）の党総裁、内務大臣、陸軍長官を歴任しました。

1934年には大統領選に立候補し、圧倒的な支持を受けて当選しました。彼は政界の影響力を持つカジェス元大統領によって推されたにもかかわらず、当選後は自らの信念に基づく政治を進め、腐敗した既存の労働組合の幹部たちを追放しました。

社会改革と国有化政策

カルデナスの政権下では、1917年に制定された革命憲法に基づく農地改革が本格的に進められました。彼は約2,000万ヘクタールの土地を農民に分配し、77万人もの農民が恩恵を受けました。この改革は、メキシコにおける農業生産を改善し、貧困層の生活水準を向上させることを目指していました。

また、彼は1937年に鉄道の国有化を実施し、更に1938年にはメキシコの石油産業を国有化しました。この石油産業の国有化によりペメックスが設立され、アメリカからの強い反発を招きましたが、国民からは圧倒的な支持を受けました。こうした政策はメキシコ経済に大きな影響を与え、国民に誇りを持たせるものとなりました。

国際的な影響と内戦支援

スペイン内戦においては、彼は共和政府側を支援し、数千丁の武器を提供しました。また、内戦後には約10,000人の亡命者を受け入れ、メキシコの文化や芸術に大きな影響を与えました。その中には、ソ連から追放されたトロツキーも含まれていました。これらの行動は、メキシコの国際的な地位を高める要因となりました。

大統領退任後と受賞歴

カルデナスは大統領を退任した後も、1945年まで国防長官を務め、第二次世界大戦中はアメリカとの同盟関係を強化しました。彼の貢献が評価され、1955年にはスターリン平和賞を受賞しています。特に、その社会改革や国有化政策は、彼の名を歴史に刻む要因となりました。

家族の影響

彼の息子、クアウテモク・カルデナスも政治家として名を馳せました。クアウテモクはミチョアカン州知事を経て、民主革命党（PRD）を結成し、幾度となく大統領選に立候補しました。また、彼の長男ラサロ・カルデナス・バテルも政治の道を進んでいます。

結論

ラサロ・カルデナス・デル・リオの政治活動や業績は、メキシコの歴史において重要な位置を占めています。彼が推進した改革は今日に至るまで影響を与え続けており、彼の名前は多くの人々に呼ばれ親しまれています。

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