ラサール石井のチャイルズクエスト

『ラサール石井のチャイルズクエスト』

概要

『ラサール石井のチャイルズクエスト』は、1989年6月23日にナムコから発売されたファミリーコンピュータ用のロールプレイングゲームです。略称は「チャイクエ」とされ、ナムコットファミリーコンピュータゲームシリーズ第59弾にあたります。このタイトルはお笑いアイドルグループ「チャイルズ」をプロデュースしたラサール石井の名前を冠していますが、実際には石井本人は企画や開発にほとんど関与していません。

ゲームの内容

プレイヤーは芸能プロダクション「石井光三オフィス」の新米マネージャーとなり、アイドルグループ「チャイルズ」を日本全国で営業し、一流のスターに育て上げることが目標です。ゲーム全編にはブラックユーモアがちりばめられたユニークなシステムが特徴で、通常のRPGの戦闘に相当する部分が「営業」に変換されています。

営業システム

営業は、敵をファンにするために行われる活動であり、プレイヤーは「よいしょ」というコマンドを使って敵を喜ばせます。成功するとファンを得られ、経験値に相当する「にんき」とお金が獲得できます。敵は罵詈雑言を浴びせる「こうげき」を仕掛けてきますが、プレイヤーは「たえる」ことで敵のストレスを発散させ、ファンに変えることもできます。

この営業システムの奥深い特徴には、敵が参照するストレスや特別な攻撃が設定されており、プレイヤーは敵の反応に応じて戦略を変える必要があります。魅力的な営業活動を行うループを重ねながら、経験値やにんきを手に入れ、チャイルズを成長させていきます。

各種スキル

マネージャーには「まほう」と呼ばれる特殊スキルがありますが、これは一般的な魔法とは異なり、マネージャーが楽をするための手段として機能します。特定のアイテムやスキルを駆使しながら営業を進め、チャイルズにとって最適な環境を整え、コンサートを成功させることが求められます。

コンサートとキャンペーン

各地にはコンサート会場が存在し、成功するとチャイルズの「みりょく」が上昇します。また、事前のキャンペーンを行うことで資金を集めたり、経験値を得たりすることも可能です。プレイヤーは冠を被るアイドルの指示を出し、観客を魅了するために「トーク」「もちうた」「コント」のコマンドを駆使していきます。これらの元素が成功裡に集結することで、ゲームの進行が円滑に進み、チャイルズを全国のスターに育て上げるフェーズへと繋がります。

主要キャラクター

ゲームには固有のキャラクターが多数存在し、それぞれユニークな個性を持っています。プレイヤーは、彼らとの絡みの中で物語を進めていくことになります。特に「石井光三」はプロダクションの社長としてプレイヤーを導く存在ですが、その指導スタイルにはユーモアが満載です。

評価

本作は、ゲーム誌の評価ではユニークなシステムやブラックユーモアが評価される一方で、安易なパクリや狙い過ぎのシナリオが批判されることもありました。しかし、全体的には特異なRPG要素を持ち、記憶に残る作品として現在でも一部のファンに親しまれています。

まとめ

『ラサール石井のチャイルズクエスト』は、単なるゲーム以上の体験を提供します。独特の営業システムや、魅力的なキャラクター、ユーモアに富んだストーリーが交錯するこの作品は、90年代のRPGに新たな風を吹き込む存在でした。

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