ラシン・クラブ

ラシン・クラブ（Racing Club）

ラシン・クラブは、アルゼンチンのブエノスアイレス州アベジャネーダに本拠地を置く有名なスポーツクラブです。サッカー、バスケットボール、テニスなど多数の競技チームを擁していますが、特にサッカーチームがその名を広く知られています。ラシンはボカ・ジュニアーズ、CAリーベル・プレート、CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ、CAインデペンディエンテと並んで、アルゼンチンフットボール界のビッグ5に数えられています。

歴史と伝説

ラシン・クラブの歴史は1901年に始まり、最初の名称はFCバラカス・アル・スドでした。初代会長にはペドロ・ウェルネルが就任しました。設立から1年目にユニフォームの色を巡る対立が発生し、結果として多くのメンバーが赤色を選んで離脱し、コロラドス・ウニードスという新しいクラブが誕生しました。しかし、1903年に協議の末、両クラブは統合され、現在のラシン・クラブの名称が誕生しました。クラブ名はフランスのラシン・パリに由来し、ユニフォームはフランスチームのデザインと異なるものとなりました。

1913年から1919年の間に、ラシンはアマチュア時代に7連覇を達成し、その卓越した成績から「ラ・アカデミア（学院）」の愛称がついています。この愛称はクラブの誇りとなり、今でもファンたちに親しまれています。さらに、プロリーグに移行後も多くのタイトルを獲得し、多彩な国際大会での成功を収めました。1970年代から1980年代にかけては、クラブは一時的に低迷しましたが、その後復活し、様々な大会で再び強さを見せました。

ラシンの戦績

ラシン・クラブは、アルゼンチンのサッカーリーグで18回もの優勝を果たしています。特にプロ化された1949年から1951年にかけての3連覇や、2001年の35年ぶりの優勝が印象的です。また、国際大会でもコパ・リベルタドーレスやインターコンチネンタルカップでの優勝を記録しています。1988年にはスーペルコパ・スダメリカーナとスーペルコパ・インテラメリカーナを制し、名実ともに南米の強豪クラブの一つとして知られるようになりました。

ライバルとダービー

ラシン・クラブの最大のライバルは、近隣に本拠を構えるインデペンディエンテです。この対戦は「クラシコ・デ・アベジャネーダ」と呼ばれ、アルゼンチンのフットボールシーンにおいて非常に重要な位置を占めています。この対戦はボカ・ジュニアーズとCAリーベル・プレートのスーペルクラシコに次ぐ人気を誇り、両クラブの熱烈な支持者たちによって盛り上がります。

スタジアム

ラシン・クラブはエスタディオ・フアン・ドミンゴ・ペロンをホームスタジアムとしています。このスタジアムは「エル・シリンドロ」としても知られ、1950年に完成しました。アルゼンチン初の全体を覆う屋根付きスタジアムであり、非常に大きな収容人数を誇りますが、近年の改築によって規模は縮小されました。それでも尚、アベジャネーダ地区の象徴として瀟洒なデザインを誇っています。

ラシン・クラブは、アルゼンチンにおいてフットボールだけでなく、文化的な側面においても大きな役割を果たしてきました。政治や音楽界の著名人も彼らのサポーターとして知られ、更なるメディアの注目を集めています。今後の活躍も期待されるこのクラブは、歴史と伝統、そして多くのファンの情熱によって成り立つ、まさに誇り高い存在と言えるでしょう。

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