ラジオ波焼灼術

ラジオ波焼灼術（RFA）についての詳細

ラジオ波焼灼術（Radiofrequency Ablation、略称RFA）は、特定の腫瘍を治療するために用いられる医療手技で、主に肺、肝臓、腎臓、骨などの組織に影響を与える腫瘍に適用されます。この手法は腫瘍の内部にラジオ波を通した針を挿入することから始まり、針を通じて高周波が腫瘍内に伝わり、組織の温度を上昇させることによって、腫瘍細胞を破壊します。そのため、RFAは「ラジオ波凝固法」とも呼ばれています。

適応範囲と適合性

RFAは、原発腫瘍と転移性腫瘍の両方に対して使用可能で、小さいサイズの腫瘍に特に適しています。ただし、特定の腫瘍に対するこれらの治療法の適合性は、腫瘍の位置、サイズ、患者の全体的な健康状態など、複数の要因によって決まります。

例えば、肝細胞癌の治療においては、RFAは経皮的エタノール注入療法（PEIT）よりも広範囲な焼灼が可能であり、これによりより効果的な治療が実施されています。RFAは、転移性肝癌の患者にも広く適用され、腹腔鏡または胸腔鏡を使用して行われることが多いです。これにより、治療が患者に少ない負担で行われることが可能となっています。

治療効果と成功率

この治療法は、局所的に送達される化学療法とも組み合わせることができ、肝細胞癌の治療においては特に効果的です。研究によると、この手技の初期成功率はかなり高く、症状のない患者のうち66〜95％が良好な結果を示しています。しかし、RFA治療後に腫瘍が再発する報告もあり、再発率は外科治療と類似していることが示されています。

骨腫瘍に対する応用

さらに、ラジオ波焼灼術は良性の骨腫瘍、特に類骨性骨腫の治療においても重要な手法として位置付けられています。この方法は1990年代に導入され、多くの研究が示すように、侵襲性が低く、患者に対する負担が少ないことが特長です。RFAによる治療は、従来の外科的手法と同等の安全性と有効性を持つとされ、非常に有望な結果が報告されています。

他の適応

加えて、ラジオ波焼灼術は痛みを伴う転移性骨疾患の緩和療法にも用いられ、従来の治療法に反応しない患者に対しても実施されています。産科においては、無心体双胎の際に正常胎児の生存率を高めるために、無心体の血流を遮断する手法としてRFAが用いられることもあります。日本では、この無心体双胎治療法としてのRFAが2019年3月に保険適用されるようになりました。

まとめ

ラジオ波焼灼術は、様々な腫瘍および疾患に対する効果的な治療法として注目されており、今後の研究や技術の発展が期待されている分野です。

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