ラスカルは、1977年に放送された
テレビアニメ『
あらいぐまラスカル』に登場する
アライグマであり、多くの人に知られています。元々は、スターリング・ノースの小説『
はるかなるわがラスカル』に登場する
アライグマがモデルとなっています。
概要
アニメ『
あらいぐまラスカル』は、放送から半世紀近く経った今でも、
ストリーミングで視聴でき、新デザインのグッズやコラボ企画が展開されています。2005年には、原作にはなかったガールフレンド・リリィが登場し、グッズのサブ
キャラクターとして人気を博しました。しかし、アニメの人気により
アライグマの
ペット需要が高まり、2005年には特定外来生物に指定されるという社会問題も引き起こしました。
トーマス・スターリング・ノースのラスカル
小説『
はるかなるわがラスカル』に登場するラスカルは、著者のトーマス・スターリング・ノースが12歳頃に出会った
アライグマがモデルです。トーマスの故郷である
アメリカ合衆国ウィスコンシン州エジャートン郊外で出会ったとされています。ラスカルと共に過ごしたトーマスの生家は、現在も復元・保存されています。
1963年に発表されたこの小説は、トーマスが少年時代に飼育していた
アライグマ・ラスカルとの日々を回顧したもので、ほぼ実話とされています。アメリカでベストセラーとなり、日本では
川口正吉の翻訳版が出版されました。
ディズニーのラスカル
1969年には、ディズニーが小説『
はるかなるわがラスカル』を原作とした映画『Rascal』を公開しました。日本国内では未公開であり、
ストリーミングサービスでも視聴できません(2025年2月現在)。
日本アニメーションが制作した
テレビアニメ『
あらいぐまラスカル』は、「
世界名作劇場」シリーズの3作目として放送されました。現在では、X(旧Twitter)公式アカウントが運営されており、ラスカルが「ミャ」を語尾にして発信するなど、
キャラクターとしての人気を博しています。
1977年に放送されたアニメは、10歳の少年・スターリングとラスカルとの交流を描いた物語です。アニメ制作時から放送終了後まで、ラスカルの存在感は強く、グッズ化も盛んに行われました。
キャラクターデザインは、実際の
アライグマよりもレッサーパンダに近く、新デザイン「プチラスカル」で
デフォルメされています。
『ぽかぽか森のラスカル』: 2006年に放送されたテレビアニメで、ラスカルが”ぽかぽか森”に暮らす物語です。
『ハッピー!クラッピー』: 子供向け番組で、ラスカルが進行役として登場しました。
『幸せパスタストーリー』: Webアニメで、ラスカルが「ラスカルの森と畑のクリームパスタ」を紹介しました。
『めいたんていラスカル』: 2014年に放送された
テレビアニメで、ラスカルが見習い探偵として活躍します。
『ピーターパンの冒険』: ラスカルがネバーランドの住人として登場しますが、『あらいぐまラスカル』との関連は不明です。
ラスカルのデザインは、原作小説の挿絵からテレビアニメ版、そして新デザインへと変化してきました。2011年以降には、「RASCAL little trip」「Toy RASCAL」「まるりんラスカル」といった新デザインが発表され、グッズ化されています。
社会的影響
『あらいぐまラスカル』の人気により、日本ではアライグマのペット需要が高まりました。しかし、アライグマの凶暴性や飼育の難しさから、捨てられる個体が増え、野生化が進みました。その結果、農作物への被害や在来種への影響が深刻化し、2005年にアライグマは特定外来生物に指定されました。
アニメの影響で、本来の生息地でない日本にアライグマが大量に持ち込まれましたが、気性の荒さから無責任に捨てられる個体が後を絶ちませんでした。現在は、アライグマの輸入および飼育は禁止されています。
アライグマは、見た目とは異なり気性の荒い動物です。原作でも、アライグマの飼育の難しさが指摘されています。また、狂犬病を媒介する恐れがあることも知られており、注意が必要です。
東京五輪2020における注目
2021年の東京オリンピックで、スケートボードのメダリストが「あらいぐまラスカル」について語ったことがきっかけで、ラスカルが再び注目を集めました。
パロディ・オマージュ
『あらいぐまラスカル』は、様々な作品でパロディやオマージュとして登場しています。
『妖狐✕僕SS』: 渡狸卍里がラスカルと呼ばれる場面があります。
『勇者ヨシヒコと魔王の城』: アライグマ男の頭部がラスカルに酷似しています。
『ロボット・ドリームズ』:
アライグマの名前がラスカルです。
関連項目
*
『あらいぐま カルカル団』: 『
あらいぐまラスカル』の公式
スピンオフ作品として、2025年4月に放送予定です。