ラストストーリー

『ラストストーリー』: 任天堂の意欲作

概要

『ラストストーリー』は、任天堂が2011年1月27日にWii専用にリリースしたコンピュータRPGです。開発は、坂口博信が率いるミストウォーカーが行い、システム開発はAQインタラクティブが担当しました。任天堂のプラットフォームでの発売は、ミストウォーカー製作の『ASH -ARCHAIC SEALED HEAT-』に続くもので、坂口は『ファイナルファンタジーV』以来、約18年間のブランクを経てRPGのディレクターを務めることとなりました。

本作の制作には、約1年のシステム構想と9ヶ月のデバッグを含む3年半がかかり、従来のRPGの枠を超えた独自の戦闘系统や物語を追求する意志が感じられます。このような逆境を反映して、タイトルは「ここで最後の作品でも後悔しない」という想いから名付けられました。

発売と共に、通常版とWii本体、リモコン、クラシックコントローラーがセットになった『THE LAST STORY スペシャルパック』が販売され、早期購入者には特典としてビジュアルブックとサウンドトラックが配布されました。

オープニング週の売上は約11万本を記録し、家庭用ゲームの週間売上ランキング1位に輝きました。また、12011年12月には『みんなのニンテンドーチャンネル』の評価で、ブロンズランクを獲得しています。

開発沿革

2009年4月、ミストウォーカーの公式サイトで開発コラムに次回作に関する発表があり、2010年に正式タイトルと共にティーザーサイトが開設。しかし、開発の遅延により発売は2011年へと延期されました。

坂口によるゲームプレイのプレゼンテーションが発売1ヶ月前に行われ、主要スタッフによるトークセッションも中継されました。その後、公式サイトは更新され、ストーリーや戦闘システムの情報が手に入るようになります。

ゲームシステム

本作は、基本的にリアルタイムで進行する戦闘システムを取り入れており、典型的なRPGのターン制から脱却しています。主人公エルザを操作し、彼に求められる戦術としては、地形を利用した攻撃や、特殊能力「ギャザリング」の活用などがあります。

基本操作

プレイヤーは、カメラリセットや隠れる、障害物を乗り越えるといった多様な操作が可能です。さらに、敵に近づくことで自動的に攻撃を行うオート戦闘や、ガード機能、注目モードが戦略的な要素となっています。

ギャザリングシステム

本作の目玉ともいうべき「ギャザリング」は、敵の注目を引き寄せる能力で、使用者が攻撃を受けるリスクを背負うことで、仲間に有利な状況を提供します。さらに、効果を蓄積することで強力な技「ギャザリングバースト」を発動できるなど、戦況を一変させる可能性を秘めています。

魔法と戦術

キャラクターたちは多様な魔法を所有しており、魔法のサークルを利用することでその恩恵を高めることができます。プレイヤーは魔法の属性を利用しながら、戦闘を進めることが求められます。

オンラインモード

本作には最大6人のプレイヤーが参加できるWi-Fi通信プレイ要素があり、最大2種類のオンライン専用モードが用意されています。ゲームの開放された環境で、仲間と協力してモンスターを討伐したり、対戦を行ったりすることができましたが、2014年にWi-Fiコネクションサービスが終了し、現在はプレイ不可能となっています。

登場人物

主なキャラクター

• - エルザ: 物語の主人公。孤独と戦いの中で成長していく。
• - カナン: ヒロインであり、独自の力を持つ姫君。
• - クォーク: エルザの兄貴分で、物語を通じて葛藤を抱える。

それ以外にも、仲間や敵対者としてさまざまなキャラクターが登場し、ドラマティックな展開を迎えます。

音楽とスタッフ

音楽は植松伸夫が手がけ、主題歌「翔べるもの」は坂口博信の黒い出発の象徴となっています。外部での展開として、北米版はXSEED Gamesによってローカライズされ、海外市場に進出しました。

『ラストストーリー』は、任天堂のゲームとして、革新性と深いストーリーを提供し、多くのプレイヤーに愛され続ける作品となっています。

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