ラスト・シューティスト

映画『ラスト・シューティスト』について

『ラスト・シューティスト』（原題: The Shootist）は、1976年に公開された西部劇映画で、アメリカンドリームを体現した名優ジョン・ウェインの最後の主演作です。本作は、1975年に出版された同名の小説を原作にしています。ウェイン以外にも、ローレン・バコール、ロン・ハワード、ジェームズ・ステュアートなどが共演しており、監督はドン・シーゲルが務めました。

あらすじ

物語は1901年1月22日、かつて名声を博したガンマン、ジョン・ブックスがネバダ州カーソンシティに帰還するところから始まります。彼は末期のガンに侵され、余命が短いことを告げられたことから、未亡人ロジャース夫人の宿に身を寄せることになります。しかし、彼の存在はすぐに知れ渡り、かつての敵や利益を狙う者たちが集まってきます。

ある晩、彼は眠っているところを襲撃されたため、無防備な状態から2人の不良を射殺することになります。この事件を経て、自らの死を実感したブックスは、かつての仇敵たちに対して恨みを含めた戦いを挑む決意を固めます。彼は自らの葬儀屋と相談をし、敵であるスイーニー、プルフォード、コッブと対峙することに決めました。

物語クライマックスでは、酒場での銃撃戦が繰り広げられ、ブックスが自らの誇りと最後の意地をかけて戦います。このシーンでは、彼の人生の集大成ともいえるパフォーマンスが展開され、観客は彼の壮絶な人生を感じ取ることができるでしょう。

キャストとスタッフ

映画のキャストには、ジョン・ウェインのほかに、ローレン・バコール、ジェームズ・ステュアート、リチャード・ブーンが名を連ねています。その指導と配役には、ウェイン自身の意向が強く反映されています。また、監督はドン・シーゲルで、脚本はマイルズ・フッド・スワザウトとスコット・D・ヘイルが担当しています。

特徴と影響

『ラスト・シューティスト』は、ウェインにとっての遺作であり、彼の人生最後の役柄にふさわしい特別な作品です。興行的には成功しなかったものの、ウェインの死後には多くの関心を集め、再び劇場公開されました。公開に至るまでの経緯や、当時の西部劇の潮流を考慮すると、作品は時代の象徴でもあります。オープニングでは、『赤い河』や『ホンドー』など、彼の代表作のシーンが挿入され、観客はウェインの豊かなキャリアを振り返ることができます。

映画製作時には、ウェインの健康状態も影響していましたが、彼はテーマとキャラクターに深い思い入れを持っていました。ウェインは自身の役柄に対して特別な修正を加え、正義感が強いキャラクターを創り上げることに尽力しています。

ジェームズ・ステュアートやローレン・バコールとの共演は、役者たちの人生とキャリアに深く関連しています。映画内の愛馬ダラーは、ウェインの人生の象徴として重要な位置づけにあり、彼にとって特別な存在でした。失われた西部劇の魅力が詰まったこの作品は、ウェインファンのみならず、多くの映画愛好家に愛され続けることでしょう。

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