ラズロ・ナジ

ラズロ・ナジ：スカウティングの世界的指導者

ラズロ・ナジ（László Nagy、1921年9月2日 - 2009年12月18日）は、ハンガリー（マジャル）出身でスイス国籍を持つ、スカウティング指導者、歴史家、社会学者です。政治学博士の学位を持ち、1968年5月1日から1988年10月31日まで、世界スカウト機構の事務総長を務めました。ハンガリー語名はナジ・ラースロー（Nagy László）と表記します。

生涯と業績

ナジは1921年、ハンガリーのブダペストで生まれました。幼少期にスカウティングに出会い、隊指導者の補佐として活動を始めました。1933年には、ハンガリーのゲデレーで開催された第4回世界スカウトジャンボリーに参加しています。

学術的な背景

社会学と法学で修士号、政治学で博士号を取得し、ジュネーヴ大学の経営大学院も修了しました。著名な心理学者であるジャン・ピアジェに師事し、長年にわたり研究を続けました。その後、ジュネーヴの国際・開発研究大学院で研究・部署学部の学部長に就任し、後進の指導にもあたりました。

ジャーナリスト・作家としての活動

ナジはジャーナリスト・作家としても活動し、Gazette de Lausanneの外国人記者を務めました。東欧・サハラ以南アフリカ問題に関する世界的権威としても知られていました。

世界のスカウト運動に関する研究

1965年、国際・開発研究大学院の承認とフォード財団の援助の下、世界のスカウト運動に関する批判的研究に着手しました。1967年には、その成果として『Report on World Scouting』を出版しました。この研究では、広範な実地調査と多数のインタビューを通じて、世界のスカウティングに関する貴重なデータを収集し、スカウティングの強みと問題点の両方を分析・定義しました。

世界スカウト機構での活動

1967年、世界スカウト会議はナジの報告を受け入れ、世界のスカウティングの改善と再編に取り組みました。1968年、世界スカウト機構はナジをスカウティングの改革を実行するために招聘し、事務総長に任命しました。当初3年の予定であった任期は、結果的に20年に及ぶこととなりました。事務総長として、ナジは世界中のスカウティング組織の発展に尽力し、その活動を支援しました。

受賞

1977年、世界のスカウティングに対する多大な貢献が認められ、世界スカウト機構からブロンズ・ウルフ章が贈られました。これは、世界スカウト委員会の唯一の栄典であり、ナジの功績を称えるものです。

家族

ナジはジュネーヴの芸術家であったMonique Cuendetと結婚し、2人の息子（Antoine（1958年生）とLaurent（1960年生））と、娘のAnns Valerie（1962年生）をもうけました。

著書

* Dr. László Nagy, 250 Million Scouts, The World Scout Foundation and Dartnell Publishers, 1985

ラズロ・ナジは、スカウティングの発展に生涯を捧げた人物であり、その功績は今日でも高く評価されています。

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