ラズヴァン・ルチェスク

ラズヴァン・ルチェスク：輝かしい指導者としてのキャリア

ラズヴァン・ルチェスクは、1969年2月17日生まれのルーマニア出身のサッカー指導者です。父は同じく著名なサッカー指導者であるミルチェア・ルチェスクです。選手時代はゴールキーパーとして活躍し、FCスポルトゥル・ストゥデンツェスク・ブカレスト、ナシオナル・ブカレスト、ラピド・ブカレストといったクラブでプレーしました。249試合に出場し、2002-03シーズンにはラピド・ブカレストで選手兼副会長としてリーグ優勝を経験、現役生活に幕を閉じました。

現役引退後は指導者の道を歩み始めます。まずは古巣のFCブラショフで監督業を開始。その後、ラピド・ブカレストへ戻り、2004年から2007年まで指揮を執り、リーグ戦では3位、2位、4位と安定した成績を残しました。さらに、ルーマニア・カップでは2005-06シーズンと2006-07シーズンに連覇を達成。UEFAカップでも準々決勝進出と、輝かしい実績を残しました。

2007-08シーズンには再びFCブラショフへ戻り、リーガ1昇格に導くなど手腕を発揮。その功績が認められ、2009年4月29日にはルーマニア代表監督に就任しました。しかし、ワールドカップ予選突破には至らず、2011年6月に退任することになります。その後ラピド・ブカレストへ復帰するも、タイトル獲得には届かず、2012年にはアル・ジャイシュ・ドーハの監督に就任しました。その後、FCペトロルル・プロイェシュティやシュコダ・クサンティFCなどを経て、2017年8月11日、PAOKテッサロニキの監督に就任しました。

PAOKテッサロニキでは、就任1年目の2017-18シーズンにキペロ・エラーダス（ギリシャカップ）を制覇。そして、2018-19シーズンにはリーグ戦を無敗で制し、カップ戦との二冠を達成しました。長らく中位に甘んじていたPAOKを、ギリシャ・スーパーリーグの強豪へと変貌させました。PAOKでの成功は、低迷が続くパナシナイコスFCを凌駕する結果となり、リーグにおける3強の一角にまで押し上げました。

2019年7月にはアル・ヒラルへ移籍。AFCチャンピオンズリーグ2019では浦和レッズを決勝で破り、見事優勝を飾りました。さらに、サウジ・プロフェッショナルリーグとサウジ国王杯も制覇し、三冠を達成する快挙を成し遂げました。2021年2月にアル・ヒラルとの契約を解消した後、同年5月には再びPAOKテッサロニキの監督に就任しています。

数々のクラブで成功を収め、数々のタイトルを獲得してきたラズヴァン・ルチェスク。その指導者としての才能は、ルーマニア国内にとどまらず、国際舞台でも高く評価されています。2018年と2020年にはルーマニア年間最優秀監督賞を受賞し、2018-19シーズンにはギリシャ・スーパーリーグ最優秀監督賞にも輝いています。また、2020年にはIFFHS AFC男子年間最優秀監督賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

もう一度検索