ラッシャーみよし

ラッシャーみよし：アングラ性を表舞台へ導いた異才

ラッシャーみよし（本名非公開、1956年2月1日生まれ）は、日本の作家、AV監督、そして実業家として、独自の足跡を残しています。アダルトビデオメーカー「ラッシュ」を主宰し、フェチやマニアックな性ジャンルを、文章や映像を通して世に広めた人物として知られています。

初期の経歴と風俗ライターとしての活動

京都府長岡京市で生まれ育ったラッシャーみよしは、京都産業大学外国語学部言語学科を卒業後、早稲田大学大学院文学研究科ロシア文学専攻修士課程に進学するという、一見するとアカデミックな道を歩んでいました。しかし、在学中からセルフ出版に関わるようになり、1983年に風俗雑誌『元気マガジン』でライターデビュー。この時、同誌編集長から「ラッシャーみよし」のペンネームを与えられ、風俗ライターとしてのキャリアをスタートさせました。

80年代には、主にピンサロ評論の第一人者として活躍。その詳細なルポルタージュと独特の視点は、多くの読者を惹きつけました。しかし、彼の才能はそれだけにとどまらず、新たな表現の場を模索し始めます。

AV監督としての革命とジャンル開拓

1989年、ラッシャーみよしはAV監督として『ダイナマイト・スペルマ』を発表。それまでタブー視されていた「顔射」をテーマにしたこの作品は、マニアの間で大きな話題となりました。これを機に、彼はザーメン物の第一人者として、90年代のAV業界を代表する監督の一人として名を馳せます。また、ごっくん、ネバスペといった新たなジャンルを確立し、インディーズシーンに大きな影響を与えました。これらのジャンルは、後にセル作品で人気を博すようになります。

雑誌編集者としての多才な活動

90年代には、雑誌編集者としても活躍。顔射・ゴックン専門誌『ギャルズシャワー』の編集長を務めるとともに、脚フェチ写真集『フェティシズム叢書』シリーズの制作者としても知られています。これらの活動を通じて、彼はアダルト誌やAV業界に新たな流れを作り出しました。

テレビ出演とその後

この時期、ラッシャーみよしはテレビ地上波にも進出。TBS『スーパーワイド』で「ラッシャーみよしのホオホオ見聞録」というコーナーを担当しますが、これは1クールで終了しています。2000年以降は表舞台から姿を消し、活動を控えていましたが、2009年に自らが主宰するメーカー「ラッシュ」から、こだわりのフェティッシュ作品を発表し始めました。

「ラッシュ」での活動と新たなフェチジャンルへの挑戦

「ラッシュ」では、得意のザーメン物をさらに昇華させた作品や、マニアックな新シリーズ「ゲロスカ痴女」が人気を集めています。近年では、「痰と唾」シリーズや「痰壺」シリーズなど、新たなフェチジャンルを切り開き、その独特な世界観で多くのファンを魅了しています。

人物像と趣味・特技

学者一家に育ったラッシャーみよしは、自身も20代中頃まで学者を目指していましたが、指導教員の死去により断念しました。風俗ライター時代には、ピンサロに深くのめり込み、フェラチオを受けた女性の数は2000人を超えると言われています。また、80年代のB級ミニスカアイドルや、70年代のお色気アクションドラマにも詳しく、趣味はダンス、特技はロシア語とフランス語という多才な一面を持っています。

主な作品と代表的なシリーズ

AV監督としての代表作には、『ダイナマイト・スペルマ』、『大飲液』、『ザーメン花吹雪』、『脚フェチ500万』、『超高級美脚倶楽部』などがあります。また、自身が率いる「ラッシュ」からは、ビザールハウス、ジャンクショップ、ビザールスタイルといったレーベルで数多くの作品を発表しています。

ビザールハウス

人間崩壊シリーズを中心としたゲロスカ（嘔吐スカトロ）をテーマにしたシリーズ。

ジャンクショップ

ごっくん（精液を飲む）をテーマにしたシリーズ。

ビザールスタイル

寸止め、M男ドキュメントなど、過激なSMをテーマにしたシリーズ。

その他の活動

単行本や雑誌編集も手がけ、『ムチムチの研究　ミニスカートの本』や『AV監督ヒヤヒヤ日記』などの著作があります。また、『DVD女王様バイブル』の編集長を務めるなど、多岐にわたる活動を展開しています。

まとめ

ラッシャーみよしは、アングラな性ジャンルを、独自の視点と表現で世に広めた異才です。風俗ライター、AV監督、雑誌編集者、実業家として、多岐にわたる分野でその才能を発揮し、日本のサブカルチャーに大きな影響を与えた人物と言えるでしょう。彼の作品は、タブーに挑戦し、人間の欲望や好奇心を刺激し続けています。

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