精液

精液とは

精液（せいえき、英: semen）は、動物のオスの生殖器官から分泌される液体です。ヒトの場合、その大部分は前立腺液や精嚢分泌液などで構成され、受精に必要な精子を1～5%含んでいます。交尾や産卵時に、オスの生殖器から放出され、メスの卵細胞と受精するための重要な役割を担っています。メスの体内で精液を放出し体内受精を行う動物の射精は「射精」と呼ばれ、外部で受精する水生動物のケースは「放精」と呼ばれます。

精液の呼称

精液は文化や言語によって異なる呼ばれ方をします。例えば、イギリスなどでは「ザーメン」という言葉や、「スペルマ」という用語が一般的です。また、日本語では「精子」と呼ばれることもあります。中世から近世の日本の文芸作品では、色々な表現が用いられ、「腎水」や「白酒」といった表現も見受けられます。性犯罪に関する報道では、より直接的な表現を避けて「体液」と呼ばれることが増えます。産科学や幼児教育の文脈では、精子と卵子を「あかちゃんのもと」としたりする表現もあります。

精液の成分

精液は、液体成分の「精漿」と細胞成分の「精子」で構成されています。精液は約30%が前立腺からの分泌液で、残りの約70%は精嚢の分泌液です。精子はこれらの混合物の中に懸濁して存在します。顕微鏡で観察すると、精子が活発に動いている様子を見ることができます。精液の成分には多くの栄養や酵素が含まれ、これらは精子の運動を助け、受精を可能にする働きを持っています。

射出時の精液の流れ

精子は精巣で生成され、精巣上体で成熟します。射精時には、精子が精管を通って射精管へと進み、ここで精嚢の分泌液と混ざって精液が形成されます。この精液は最後に前立腺の液体と混合され、尿道へと押し出された後、体外に放出されます。

ヒトの精液

ヒトの精液は、性交や自慰行為による刺激によって射精が引き起こされます。射精直後の精液は濁った白色で、10分ほど経つと透明になります。異なる個人によって色や臭いに差があり、特に臭いは栗の花や漂白剤に似たものであることが知られています。また、味は苦味があり、しょっぱいとされています。

精液の質

精液の質は生殖能力を示す重要な要素であり、精液中の精子の量や質を反映します。WHOによれば、ヒトの精液の正常値は具体的に示されており、これには精子の運動率や正常形態率が含まれます。精液は通常、皮膚に付着したり飲み込んでも無害ですが、性感染症のリスクがあるため注意が必要です。

精液の検出方法

精液が付着したかどうかの判定にはいくつかの方法があります。これには外観の確認や顕微鏡での精子の確認、そして化学試薬を使用した前立腺由来物質の検出が含まれます。これらの手法は主に法医学の分野で利用され、性犯罪の捜査などに用いられています。特に女性の下着には、性交後に漏れ出た精液が付着するため、浮気を証明する手段として使われることがあります。

以上が精液に関する詳細な情報です。精液は生物の繁殖において重要な役割を果たし、様々な成分や特性を持っています。

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