ラッセル2000

ラッセル2000指数とは

ラッセル2000指数は、アメリカ合衆国における主要な株価指標のひとつで、ラッセルインベストメントによって算出され発表されています。この指数は、米国市場で時価総額の上位3000社を対象としたラッセル3000指数から、上位1000社を除いた時価総額1001位から3000位に位置する企業の2000銘柄で構成されています。このため、ラッセル2000は、米国市場における時価総額の約10%を占めており、小型株の動向を把握するうえで非常に重要な役割を果たしています。

構成の特性

ラッセル2000の構成銘柄は年に一度見直され、その更新は現地時間のNYSE取引時間中（午前9時30分から午後4時）に1秒ごとに行われます。この高頻度の更新により、投資家は常に最新のデータを元に投資判断が行えるため、流動性が高いとされています。

経済動向への感度

ラッセル2000は小型株が中心であるため、経済の変化に敏感に反応する傾向があります。特に、景気が良いときは株価が上昇しやすく、逆に不況期には株価が急落することがあります。このため、ラッセル2000は「暴落の先行指標」として、また「炭鉱のカナリア」としても知られています。

小型株ファンドの指標

約95%の米国の小型株ファンドがこのラッセル2000指数をベンチマークとして活用しており、多くの投資家や投資機関がこの指数を基に運用方針を策定しています。1986年12月31日を基準日としており、この日の指数値は135として算出されています。

他の株価指数との比較

ラッセル2000は他の株価指数と比較されることが多く、主要な類似指数には、以下のものがあります：

• - S&P 500: 大型株500社から構成される。
• - S&P 中型株 400: S&P 500に入らない中型株400社。
• - S&P 小型株 600: S&P 500やS&P 中型株 400に入らない小型株600社。
• - ラッセル1000: 時価総額上位1000位の株式。
• - ラッセル3000: 時価総額1位から3000位までの全株式。

投資商品

ラッセル2000に関連する投資商品としては、いくつかのETF（上場投資信託）があります。その代表例は次の通りです：

• - iShares Russell 2000 ETF (NYSE Arca: IWM)
• - Vanguard Russell 2000 Index Fund ETF Shares (NASDAQ: VTWO)

また、レバレッジ型・インバース型ETFも存在しており、これらはさらに多様な投資戦略を可能にします。例えば、Direxion社の以下の製品が挙げられます：

• - Direxion Daily Small Cap Bull 3X Shares (NYSE Arca: TNA)
• - Direxion Daily Small Cap Bear 3X Shares (NYSE Arca: TZA)

先物取引も行われており、シカゴ・マーカンタイル取引所では次のような商品が上場されています：

• - E-mini Russell 2000 Index
• - Micro E-mini Russell 2000 Index

これらの金融商品は、投資家がラッセル2000指数の動きを利用して様々な投資戦略を展開するための道具となっています。時折の市場変動を予測したり、リスクを軽減するために利用されることが多いです。

以上のように、ラッセル2000指数は米国の小型株市場を象徴する重要な指標であり、多くの投資家や市場関係者にとって価値ある情報源と言えるでしょう。

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