ラット (バンド)

ラット (RATT)

ラットはアメリカ出身のロックバンドで、1980年代のLAメタルの代表格として名を馳せました。特にモトリー・クルーと並び、人気を誇り、全米でおよそ1600万枚、世界全体で3000万枚以上のアルバムを売り上げました。バンドは2018年現在、ボーカリストのスティーヴン・パーシーを中心にした派と、ドラムのボビー・ブロッツァーを中心にした派に分かれています。

バンドの概要と歴史

ラットは1978年、スティーヴン・パーシーによってカリフォルニアのサンディエゴで「ミッキー・ラット」として結成されました。その後バンドはロサンゼルスに拠点を移し、元オジー・オズボーンのギタリスト、ジェイク・E・リーが加入します。しかし、1981年にバンド名を「ラット」に改名し、リーは脱退。その後パーシーとギタリストのロビン・クロスビーが中心となり、新しいメンバーを募りました。最終的にボビー・ブロッツァー（ドラム）、ウォーレン・デ・マルティーニ（ギター）、フアン・クルーシエ（ベース）というラインナップが固まりました。

1983年には自主制作のEP『ラット』でデビューし、派手なファッションと音楽スタイルで注目を集めました。これにより「ラットン・ロール」という独自のスタイルが確立され、LAメタルブームの先駆けとなりました。特にクルーシエがドッケンの元メンバーであった影響や、クロスビーとモトリー・クルーのニッキー・シックスがルームメイトだったことがスタイル形成に寄与したと言われています。

1984年、アトランティック・レコードと契約を結び、メジャーデビューアルバム『情欲の炎』をリリース。このアルバムは全米チャートで7位にランクインし、「ラウンド・アンド・ラウンド」のヒットで名を知られるようになりました。続く1985年にはセカンドアルバム『インヴェイジョン・オブ・ユア・プライヴァシー』がリリースされ、再びヒットを記録します。特筆すべきは、シングル「レイ・イット・ダウン」のプロモーションビデオに、かつての『PLAYBOY』モデルが起用されるなど、当時のグラム・メタルのグラマラスなイメージを強く印象付けた点です。

解散と再結成

1988年には4枚目のアルバム『リーチ・フォー・ザ・スカイ』をリリースし、1990年には5枚目のアルバム『ディトネイター』を発表しますが、メジャー・デビュー以降、全てのアルバムに関与してきたプロデューサー、ボー・ヒルが制作から離れ、またクロスビーが作曲から外れるなど、バンドの方向性に変化が生じます。これにより、アルバムの商業的成功が次第に減少し、バンドは1992年に解散へと至ります。

再結成は1997年に行われ、メンバーは未発表曲集『コラージュ』をリリースしましたが、2000年代に入ると活動は再び停滞し、メンバーの脱退や健康問題も影響しました。特にクロスビーはヘロイン中毒を抱え、1992年にはHIVに感染していたことが判明。彼は2002年に亡くなりました。

その後、ラットは何度か再結成を試みますが、メンバー間の権利を巡る争いから活動は分裂状態に至ります。2015年以降、ボビー・ブロッツァーは独自に「Bobby Blotzer's Ratt Experience」として活動し、残るビッグメンバーたちはそれぞれの道を模索していました。さらに、2018年には新たなメンバーでの活動が始まっており、いまだにバンドの魅力は衰えません。

現在のメンバー

ラットの現在のラインナップには、スティーヴン・パーシー、フアン・クルーシエ、ギタリストのジョーダン・ジフ、ドラムのピート・ホルムズが参加しています。

結論

ラットは、LAメタルの金字塔として、数多くのファンを魅了し続けているバンドです。その音楽的遺産と影響は、今も色褪せることなく、ロックシーンに存在し続けています。

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