モトリー・クルー

モトリー・クルー（Mötley Crüe）

モトリー・クルーはアメリカのヘヴィメタルバンドであり、1980年代に特にその名を轟かせました。彼らは北米のスタジアムロックムーブメントの中で、若者文化や音楽に多大なる影響を与えました。結成当初から、これは派手なルックスと過激なパフォーマンス、さらには多くのドラッグやアルコールにまつわる問題で知られています。デビュー以来、バンドは全米で2500万枚、全世界では1億枚以上のアルバムを売り上げました。2015年に活動を一時終了したものの、2019年に再始動を果たしました。

バンドの始まりと全盛期

モトリー・クルーは1981年にロサンゼルスで結成されました。ベーシストのニッキー・シックスがドラマーのトミー・リーを誘い、ギタリストのミック・マーズとボーカリストのヴィンス・ニールが加わる形でバンドが成り立ちました。バンド名の由来は、マーズが提案した「Mottley Cru」という名前からニッキーが改変を加えたものです。

最初の自主制作シングル「Stick Your Guns / Toast Of The Town」を1981年にリリースし、その12月には初のアルバム『Too Fast For Love』が登場します。この時期、彼らは高揚するLAのナイトライフを満喫し、他のバンドと共に自堕落なパーティライフを存分に楽しんでいました。

1982年に大手レーベルと契約し、リミックス版のアルバムを再リリースしました。ここから彼らは華やかな衣装や独自のファッションで若者に影響を与え、LAメタルと称されるムーブメントを引き起こしました。特に1983年の「US Festival」への出演は、彼らの存在感をさらに強固なものにしました。

数々のアルバムを経て、1987年には『Girls, Girls, Girls』をリリースし、全米チャート2位を獲得しました。この時、個々のメンバーにも様々な私生活の問題が生じ始めており、特にニッキーのドラッグ問題は彼の音楽キャリアに影響を与えることになります。

曲作りと影響

1989年にリリースしたアルバム『Dr. Feelgood』は、バンドの集大成ともいえる名盤であり、全米で700万枚以上を売り上げました。このアルバムからのシングル「ドクター・フィールグッド」や「キックスタート・マイ・ハート」は今でも多くのファンに愛されています。ドクター・フィールグッドはバンドにとっての重要なポイントであり、アルバム完成時にはメンバー全員がドラッグを絶ち、完全に健全な状態で制作に臨みました。

しかし、ピークを迎える一方で常に伴っていたのは、ドラッグやアルコールによるトラブルや事故の数々でした。特にヴィンスが起こした交通事故は、ハノイ・ロックスのメンバーを失うことでバンドに深刻な影響を与えました。それ以降、メンバーたちはそれぞれリハビリに通ったり、自身の問題と向き合うことになります。

復活とこれから

1992年には問題が続く中でヴィンスが解雇され、新たにジョン・コラビがボーカルに加入しました。その後、メンバーが何度か入れ替わりつつも、再びオリジナルラインナップでの活動が行われる様になりました。1997年にはヴィンスが復帰し、2000年代に入ってもバンドは多数の活動を行います。

2015年に活動休止を発表しましたが、2019年には再び活動を再開し、現在も新しい音楽を作り出しています。2022年にはミック・マーズがツアーからの引退を発表し、後任にジョン5が加入することが発表されました。これにより新たな展開を迎えるモトリー・クルーですが、彼らの音楽は今もなお多くのファンに愛され続けています。

彼らの影響力と存在感は稀有なもので、ロックやメタル界において特異な地位を築いています。彼らが織りなす音楽は多くの人々に感動を与え、時代を超えて愛される太陽のような存在となっています。

もう一度検索