ラドフォード橋の戦い

ラドフォード橋の戦い：ヨーク派の失態

ラドフォード橋の戦いは、1459年10月12日に発生し、薔薇戦争の初期におけるヨーク派にとって重大な敗北となりました。ブロア・ヒースの戦いでの勝利後、ヨーク派はウスターへと進軍していましたが、その途上でヘンリー6世率いる強大なランカスター軍と遭遇します。兵力で劣るヨーク派は、本拠地であるシュロップシャー州ラドロー近郊のラドフォード橋まで後退しました。

裏切りによる戦況の悪化

戦局を大きく左右したのは、カレー方面軍司令官アンドリュー・トラロップの裏切りでした。彼は部下を率いてランカスター派に寝返り、ヨーク派の軍事・戦略情報を敵側に提供することで恩赦を求めました。この裏切り行為により、ヨーク派は兵力で圧倒的に不利な状況に追い込まれました。戦力は3分の1にまで減少したと言われています。

指導者たちの撤退

数的不利を悟ったヨーク派の指導者たちは、夜陰に乗じて戦場からの撤退を決意します。ヨーク公リチャード・プランタジネットとその息子であるラットランド伯エドムンドはアイルランドへ、ソールズベリー伯リチャード・ネヴィル、ウォリック伯リチャード・ネヴィル、マーチ伯エドワード（後のエドワード4世）はカレーへと落ち延びました。

ヨーク派の瓦解とラドローの略奪

翌朝、指導者たちが不在となったヨーク派の軍勢は、たちまち瓦解しました。組織的な抵抗は行われず、ヨーク派の拠点であったラドローはランカスター派の略奪に遭うがままとなりました。この戦いの後、ヨーク派の勢力は一時的に衰退し、薔薇戦争の初期におけるランカスター派の優位を決定づけることになりました。

戦いの意義

ラドフォード橋の戦いは、戦いそのものよりも、その後の政治的な影響において重要な意味を持ちます。ヨーク派の指導者たちが国外に逃亡したことで、ランカスター派は彼らを反逆者として断罪し、財産を没収することが可能となりました。これにより、ヨーク派の経済基盤は大きく揺らぎ、その後の戦局にも影響を与えることになります。また、この戦いは、内通者の裏切りが戦局を大きく左右する可能性を示す事例としても重要です。

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