ラバット

ラバット：カナダを代表するビールブランドの軌跡

ラバットは、1847年、カナダ・オンタリオ州ロンドンでジョン・ラバットによって設立されたビール醸造会社、そしてそのブランド名です。モルソンと並ぶカナダの二大ビールブランドとして、長きにわたりカナダの国民に愛されてきました。

創業から成長へ

1847年、ジョン・ラバットがビール工場を買収したことがラバットの歴史の始まりです。1850年代には大陸横断鉄道の開通を追い風に、カナダ全土への販売網を拡大。その後、1945年には株式上場を果たし、さらなる発展を遂げました。1951年には、主力商品となるピルスナー・ラガー「ラバット・ブルー」を発売。マニトバ州では「Blue」の愛称で親しまれ、カナダ国民に広く浸透していきました。

インベブによる買収と現在

1995年、ラバットはベルギーの巨大ビール会社グループ、インベブ（当時インターブリュー）に買収されました。この買収は、ラバットの歴史における大きな転換点となりましたが、ブランドとしてのラバットは、カナダ国内においてその地位を維持し続けています。

多彩なビール製品

ラバットは、長年にわたり数多くのビール製品を市場に送り出してきました。定番の「ラバット・ブルー」をはじめ、「ラバット・ブルー・ライト」、「ラバット・ブルー・ドライ」、「ラバット・クリスタル」、「ラバット・エクストラ・ドライ」など、多様なバリエーションが展開されています。さらに、カナダ初の「ドライ」ビールやライトビールもラバットが開発しました。これ以外にも、エールタイプの「ラバット50」、アイスビールの先駆けとなった「ラバット・アイス」、低価格帯の「ラバット・ワイルドキャット」、低カロリーの「ラバット・スターリング」など、幅広い消費者のニーズに応える商品群が揃っています。地域限定商品として、「コカニー」シリーズ（ブリティッシュコロンビア州）、「スクーナー」（カナダ東部）、「アレクサンダー・キース」シリーズ（ノバスコシア州）なども販売され、カナダ各地の多様な嗜好を反映したラインナップとなっています。また、「ラバット・ノルディック」というアルコール分0.5%の低アルコールビールも提供しており、健康志向にも対応しています。

スポーツへの積極的な協賛

ラバットは、スポーツへの積極的な協賛でも知られています。1976年から2000年までは、MLBのトロント・ブルージェイズのオーナーを務めていました。また、カナディアンフットボールリーグ（CFL）のチームであるハミルトン・タイガーキャッツとウィニペグ・ブルーボマーズのスポンサーでもあり、CFLの発展にも貢献しています。さらに、F1やNHLといった国際的なスポーツイベントにもスポンサーとして参加し、カナダ国内のみならず、世界規模でのブランド認知度向上に努めています。2015 FIFA女子ワールドカップのスポンサーも務めたことは記憶に新しいところです。

ラバットの今後

インベブ傘下に入った後も、ラバットはカナダを代表するビールブランドとしての地位を確固たるものとしています。多様な製品群とスポーツへの積極的な協賛を通じて、カナダ文化に深く根ざした存在感を示し続けています。今後も、カナダの国民に愛されるビールブランドとして、更なる発展を遂げていくことでしょう。

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