ラビットボール (競走馬)

ラビットボール：競走馬から繁殖牝馬へ至る波瀾万丈の生涯

1987年3月20日生まれのラビットボールは、日本の競走馬、そして繁殖牝馬として名を馳せました。1993年、中山牝馬ステークスを制覇した輝かしい戦績は、多くの競馬ファンに記憶されています。その生涯を、競走馬時代から引退後の活躍まで、詳しく紐解いていきましょう。

活躍への道のり：デビューから重賞制覇まで

1990年10月、福島競馬場での4歳未勝利戦でデビュー。4着という結果でスタートを切りました。その後、3戦目で初勝利を飾ると、勢いに乗って次の2戦も好成績を残します。しかし、ここで骨膜炎を発症し、約1年間の休養を余儀なくされます。

1991年11月、復帰を果たしたラビットボールは、中距離路線に転向。地道な努力を重ね、500万下と900万下条件戦を連勝し、1500万下クラスへと昇級しました。1500万下クラスでは苦戦が続きましたが、10月の渡月橋ステークスで11番人気ながら勝利を収めると、続く福島民友カップでもオープン初勝利を挙げ、その潜在能力の高さを示しました。その後も重賞レースに挑戦しましたが、思うような結果を残せず、1992年は幕を閉じました。

迎えた1993年、京都牝馬特別で2着に入ると、次のターゲットは中山牝馬ステークス。ここで、シャンソニエールを4分の3馬身差で退け、重賞初制覇を成し遂げました。この勝利は、ラビットボールの競走馬としてのキャリアにおける大きな転換点となりました。その後もレースに出走を続け、10月のカシオペアステークスで2着に入るなど活躍を見せましたが、1993年12月4日、競走馬登録を抹消されました。

繁殖牝馬としての成功：新たなステージへ

競走馬生活を終えたラビットボールは、生まれ故郷の片山牧場で繁殖牝馬としての第二の人生を歩み始めます。その繁殖成績は目覚ましく、2001年産の6番仔セトノヒットは地方競馬の重賞競走で3勝を挙げました。さらに、2番仔レモンバームの孫であるロードブレスが2020年の日本テレビ盃を制覇、その妹のミステリーベルンも地方競馬の重賞を2勝するなど、直仔、曾孫の世代から重賞勝ち馬を輩出しました。

ラビットボールは、繁殖牝馬としてだけでなく、功労馬としても片山牧場で大切に飼育されていました。しかし、2021年8月19日、34歳152歳でその生涯を終えました。

血統と周辺

ラビットボールの半兄には、ジャパンカップや宝塚記念などのGI競走を制したカツラギエースがいます。この血統背景も、ラビットボールの繁殖成績の成功に大きく貢献したと言えるでしょう。

まとめ

ラビットボールは、競走馬時代の中山牝馬ステークス優勝に加え、繁殖牝馬としても数々の重賞勝ち馬を輩出するなど、競馬界に大きな足跡を残しました。その輝かしい経歴と、引退後の穏やかな日々は、多くの競馬ファンに感動と記憶を与え続けることでしょう。彼女の功績は、これからも語り継がれていくに違いありません。

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