ラファエル・ゴメス・ニエト

ラファエル・ゴメス・ニエト（Rafael Gómez Nieto, 1921年1月21日 - 2020年3月31日）は、スペイン内戦と第二次世界大戦という激動の時代を生き抜いたスペインの兵士、退役軍人です。彼は、スペイン人部隊『ヌエベ（第9中隊）』の最後の生存者として、その名を知られています。

生涯

1921年1月21日、ニエトはスペイン・アンダルシア州のアルメリアで生を受けました。その後、家族と共にバダロナに移り住み、召集を受けてスペイン内戦に参加。エブロの戦いでは、スペイン共和政軍の一員として戦いました。

内戦終結後、ニエトはフランスへと亡命。サン＝シプリアン収容所に収容されるという苦難を経験します。4ヶ月後、父親と共にアルジェリアへと渡り、連合軍による北アフリカ上陸作戦（トーチ作戦）を機に、自由フランス軍の第2機甲師団に編入されたスペイン人部隊、通称「ヌエベ」の一員となりました。

ヌエベは、ドイツ国防軍占領下のパリに最初に突入した部隊として歴史に名を刻んでいます。部隊を構成する160名のうち、146名がスペイン人であったことも特筆すべき点です。しかし、激戦を生き延びることができたのは、わずか十数名に過ぎませんでした。

第二次世界大戦終結後、ニエトは1955年にフランスのストラスブールに移住し、その地で生涯を過ごしました。

2020年3月31日、ニエトはストラスブール市内の老人ホームで、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）により99歳で逝去しました。彼の死は、ヌエベの最後の生き残りの喪失を意味しました。

ラファエル・ゴメス・ニエトの生涯は、スペイン内戦、第二次世界大戦という2つの大きな戦争を経験し、自由のために戦い抜いた一人の兵士の物語です。彼の勇気と不屈の精神は、後世に語り継がれることでしょう。

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