アルメリア

アルメリア：歴史と自然が織りなすスペイン南東部の魅力

アルメリアは、スペイン・アンダルシア州に位置する、地中海に面した港湾都市です。乾燥した気候と豊かな歴史が特徴で、古代から重要な港として栄えてきました。その歴史は古く、先史時代から人が居住しており、フェニキア人やローマ人によっても支配された歴史があります。

地理

アルメリアは、アンダルシア州の最も東に位置し、県の南海外線に沿って広がっています。面積は296.21平方キロメートルで、西にはガドール山脈、北にはアルハミーリャ山脈がそびえています。これらの山々から流れ出るアンダラックス川は、アンダラックスの谷を形成し、市街地の東側を通り地中海へと注ぎます。東側にはガタ岬山脈とニハール平野が広がり、南側はアルメリア湾に面しています。また、アルボラン海に浮かぶアルボラン島もアルメリア県の管轄です。

アルメリアは、アンダラックス川によって形成された沖積平野に位置しており、地殻変動が活発な地域でもあります。海岸線は約35キロメートルで、そのうち約6キロメートルが市街地です。海岸には砂浜が広がっており、市内には16か所の砂浜があります。

気候

アルメリアは、ケッペンの気候区分で温暖乾燥気候（ステップ気候）に分類されます。年間を通して気温の変化が少なく、最も寒い1月でも9-17℃、最も暑い8月でも23-31℃程度です。ヨーロッパ大陸で唯一氷点下を記録したことのない都市として知られています。年間日照時間は2,994時間にも及び、ヨーロッパで最も日照時間が長い都市の一つです。降水量は少なく、年間平均降水量は200ミリメートルと、スペインで最も少ない地域の一つです。しかし、集中豪雨に見舞われることもあり、過去には洪水による被害も発生しています。

人口

2022年時点でのアルメリアの人口は19万9237人で、男性が9万7026人、女性が10万2211人です。外国出身の住民も多く、人口の13.54％を占めています。その中でもモロッコ人が最も多く、次いでコロンビア人、ルーマニア人、アルゼンチン人が多くなっています。

歴史

アルメリアの歴史は、先史時代にまで遡ります。紀元前8世紀にはフェニキア人が植民地を形成し、その後ローマ帝国の一部となりました。イスラム支配下では、後ウマイヤ朝のアブド・アッラフマーン3世がこの地を整備し、交易都市として繁栄しました。11世紀にはタイファ（小王国）の首都となり、絹織物などの産業が発展しました。その後、キリスト教勢力によって征服されたり、イスラム勢力に奪還されたりを繰り返しました。

15世紀にはカスティーリャ王国の支配下に入り、大地震に見舞われたり、海賊の襲撃を受けたりと、苦難の時代を過ごしました。19世紀には鉄道が敷設され、経済が復興しましたが、スペイン内戦時にはドイツ海軍による砲撃を受けました。

産業

アルメリアは、地中海に面した港湾都市として、缶詰製造などの産業が発展しています。また、白アルメリアブドウの生産が有名で、製塩や大理石の切り出しも盛んです。

文化遺跡と見どころ

アルメリアには、以下のような多くの文化遺跡や見どころがあります。

アルカサバ城塞とハイランの城壁: 10世紀に建設された中世の要塞で、イスラム文化の歴史を今に伝えます。
アルメリアの鉄道駅: 19世紀末に建設された、鉄とガラスを用いた美しい駅舎です。
タベルナス砂漠: ヨーロッパで唯一の砂漠で、多くの映画の撮影に使われ、「ヨーロッパのハリウッド」と呼ばれています。西部劇のセットが残されており、観光客に人気です。
アルメリア小王国の旗: 11世紀にアルメリア小王国で使われた旗で、緑地に白い帯のデザインです。
* アルメリア一帯のグリーンハウスの景観: 広大な農地がプラスチックやガラスで覆われており、「アルメリアのプラスチックの海」と呼ばれています。

交通

アルメリアには、高速道路A-7号線とA-92号線が通っており、陸上交通の便が良いです。また、地中海に面したアルメリア港からは、アフリカ北岸への航路があります。郊外にはアルメリア空港もあり、国内やヨーロッパ各地への定期便が就航しています。

スポーツ

アルメリアには、サッカークラブのUDアルメリアが本拠地を置いています。

まとめ

アルメリアは、豊かな歴史と独特の自然景観を持つ魅力的な都市です。乾燥した気候と温暖な気候に恵まれ、年間を通して多くの観光客が訪れます。イスラム文化とキリスト教文化が融合した独特の雰囲気や、数々の歴史的建造物、そしてヨーロッパで唯一の砂漠など、見どころ満載です。地中海の温暖な気候と歴史的な遺産に触れながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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