ラブラブダッシュ!

恋愛の行方はボタンひとつ！中部日本放送の伝説的番組『ラブラブダッシュ！』

1976年7月25日から1985年9月29日まで、中部日本放送（CBC）で放送された『ラブラブダッシュ！』は、当時としては斬新なゲーム形式を取り入れた恋愛バラエティ番組でした。出場する男女は、まず自己紹介と友人によるアピールタイムを経て、運命の瞬間を迎えます。司会者の掛け声「ラブラブダッシュ！」とともにボタンを押し、表示された「LOVE」の文字数でカップルの成立が決まる、ハラハラドキドキのシステムが特徴でした。

番組は大きく3つのパートで構成されていました。まず、男性と女性の出場者それぞれが紹介され、その後、彼らの友人が登場して個性をアピールします。そして、いよいよ運命の瞬間。出場者たちは司会者の掛け声とともにボタンを押し、「LOVE」の文字が4つ揃えばカップル成立というシンプルなルールながら、その結果を待つ緊迫感は、視聴者にも大きな興奮をもたらしたに違いありません。

桂朝丸（現・二代目桂ざこば）と水谷ミミが司会を務めていた時代には、さらにユニークな演出がありました。3人の男性と3人の女性が出場し、椅子に座って順番に上昇するギミックが用いられました。まるでクイズ番組のような演出は、恋愛のドキドキ感に、ゲームの要素を巧みに加えていました。椅子が上昇すると、赤いハートの中のOをイメージした爪の女性が登場するという演出も、当時としては斬新で視聴者の記憶に強く残ったことでしょう。そして、カップル成立したペアは、豪華賞品が貰えるあみだくじに挑戦する権利を得ることができました。

番組は、VTRの規格が2インチと高価だったことや、著作権法や肖像権の問題もあり、当時の映像はほとんど現存していません。1993年に放送された『探偵！ナイトスクープ』で、番組に出演した女性が当時の相手を探したいという依頼をした際、CBCには台本しか残っていないことが判明したというエピソードは、番組の歴史と資料保存の難しさを象徴的に物語っています。依頼者の女性は幸いにも、当時の相手がビデオテープで録画した映像を保存していたため、再会が叶いました。

放送時間は、1976年7月25日から1983年4月24日までは日曜16:30～17:25でしたが、日曜午後枠の編成状況によっては15:00からの放送となることもありました。その後、1983年5月8日から1985年9月29日までは、日曜16:00～17:00に放送時間が変更されました。

司会者は、番組の歴史を通して複数の人物が務めています。初期には横山やすしと水谷ミミ、桂朝丸が、その後は太平サブローと太平シローが担当しました。それぞれの司会者の個性も、番組の雰囲気を彩り豊かにしたものと考えられます。

『ラブラブダッシュ！』は、その革新的なゲーム形式と、現代には残っていない貴重な映像資料によって、多くの謎を残す番組となりました。しかし、当時の視聴者の記憶や、わずかに残された資料から、その独特の雰囲気や人気ぶりがうかがい知ることができます。まさに、昭和の時代を彩った、忘れがたい恋愛バラエティ番組と言えるでしょう。

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