ラベル・ルソー

ラベル・ハリソン・ルソー（Lovell Harrison Rousseau、1818年8月4日 - 1869年1月7日）は、アメリカの弁護士、政治家、そして軍人でした。

初期の経歴

1818年、ケンタッキー州スタンフォードで生まれたルソーは、幼少期を公立学校で過ごしました。13歳で父を亡くし、一家を支える責任を担うことになります。1840年にルイビルへ移り法律を学び、翌年には弁護士として認められました。インディアナ州ブルームフィールドで弁護士としての活動を始め、1844年から1845年にはインディアナ州下院議員も務めました。

1845年に米墨戦争が勃発すると、ルソーは中隊の大尉としてブエナ・ビスタの戦いに参加し、勇敢に戦いました。帰還後、インディアナ州上院議員に選出され、1847年から1849年までその任を務めました。その後、ケンタッキー州に戻り、ルイビルで法律事務所を開業し成功を収めました。1860年から1861年には、ケンタッキー州上院議員を務めました。

南北戦争での活躍

南北戦争の開戦が迫る中、ルソーはケンタッキー州の連邦残留を支持し、脱退を阻止する活動に尽力しました。1861年6月には州上院議員を辞任し、志願兵部隊の立ち上げを志願しました。

反対の声も上がりましたが、ルイビル近郊のキャンプ・ジョー・ホルトで、ケンタッキー州出身者からなる2個連隊を編成することに成功。この部隊は「ルイビル・リージョン」と呼ばれました。ルイビル市民軍の支援も受け、南軍によるルイビルの占領を防ぐことができました。

1861年9月には、第5ケンタッキー志願兵連隊の大佐に任命され、後に准将へと昇進。シャイローの戦い、ストーンズリバーの戦い、チカマウガの戦いなど、主要な戦闘で勇敢に戦いました。1863年11月から1865年11月まで、テネシー州ナッシュビルの指揮官を務め、1864年7月にはシャーマン将軍の命により鉄道襲撃作戦を成功させました。

合衆国下院議員としての活動と暴力事件

1864年、ルソーは「無条件連邦主義者」としてアメリカ合衆国下院議員に選出され、1865年から1866年まで務めました。下院軍事問題委員会の委員を務める一方で、1866年6月にはアイオワ州選出の下院議員、ジョサイア・ブッシュネル・グリネルとの間で激しい論争を起こしました。

解放奴隷局に更なる権限を与える法案をめぐり、ルソーは同局の代理人の反抗的行動を懸念し反対。一方、グリネルは元奴隷解放運動家として法案を強く支持しました。論争が激化すると、グリネルはルソーの軍歴を侮辱し、ケンタッキー州に関する侮辱的な発言もしました。

1866年6月14日、議事堂の東ポルチコでルソーはグリネルに近づき、議場での侮辱について謝罪を求めました。グリネルが謝罪を拒否したため、ルソーは持っていた杖でグリネルを殴打し、杖が折れるまで止めませんでした。この事件を受け、委員会が組織され、ルソーは非難されることになりました。その後、辞職しましたが、再選挙で当選し1867年まで下院議員を務めました。

その後の生涯と死

下院議員を辞した後、ルソーは准将に任命され、アラスカでの任務に就きました。1867年10月18日、ロシアからアメリカへのアラスカ譲渡において重要な役割を果たしました。この日は、現在「アラスカ・デー」として祝われています。

1868年7月28日にはルイジアナ方面軍の指揮官に任命されましたが、1869年1月7日、ニューオーリンズで亡くなりました。遺体はアーリントン国立墓地に埋葬されています。また、ケンタッキー州ルイビルのケイブヒル墓地には、ルソーを称える記念碑が建てられています。

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