ラポート

ラポートの歴史と業務内容

ラポートは、かつて日本でアニメやゲーム関連の商品を販売していた企業で、その活動のさまざまな側面を持っていました。代表者は海野榮一氏で、かつてはイベント運営を手掛けていましたが、徐々にアニメ関連商品に特化していきました。

設立と初期の活動

ラポートは、最初はイベント企画会社として設立され、デパートの屋上などでさまざまな催しを行っていました。たとえば、「夏休み昆虫大会」では昆虫の標本やカブトムシを販売するなど、子どもたちをターゲットにしたイベントが主な業務でした。そして、特に成功を収めたのが「テレビまんが展」で、これを機にアニメ商品に関心を持つようになりました。昭和50年代に訪れたアニメブームの流れを受けて、ラポートはアニメ関連商品を製造・販売する方向へ転換していきます。

通販事業と店舗展開

アニメグッズの販売はもともと無店舗の通信販売から始まりましたが、在庫の管理や催し物での販売を効率化するため、雑居ビルに物件を借りて常設店舗を開設しました。その後、新宿御苑前には自社ビル「ラポートピアビル」を建設し、アニメックという専門店や出版事業部を設けるなど事業を拡大しました。このビルの定礎には、小渕恵三元首相の名前が刻まれており、これは代表の海野が小渕氏の秘書だったことによるものです。

出版とメディア展開

ラポートは、催事の際に配布するカタログビラ『アニメック通信』の制作を内製化し、そこで出版部を設立しました。この結果、アニメ雑誌『アニメック』や投稿誌『ファンロード』を創刊し、関連書籍の発行にも力を入れるようになりました。

経営の終焉と影響

しかし、残念なことに2003年にラポートは業務を停止し、事実上倒産しました。辞める際の決定は10月5日で、同年発行の『ファンロード』はその号をもって一時休刊となりました。自社ビル「ラポートピアビル」は2014年に解体され、長い歴史に幕を下ろしました。

ラポートが残した影響

ラポートの影響は、アニメ関連業界において大きなものでした。特に、ラポートでの経験を持つ高橋豊氏が代表を務めるアニメイトが池袋を拠点に発展し、新宿との競争が「新宿・池袋アニメ村戦争」と呼ばれるほどの盛り上がりを見せました。

代表的な店舗

ラポートが運営していた「アニメック」は1982年当時、新宿を中心に多くの店舗を展開していました。これには札幌、名古屋、大阪、福岡などの主要都市も含まれ、多くのファンに支えられていました。これらの直営店の他にもフランチャイズ店舗が存在し、全国にその名が知られていました。

このように、ラポートはアニメ文化の発展に寄与し、数多くのファンに支持されていましたが、その歴史は短命で終わりました。それでも、ラポートが築いた基盤と成果は、後のアニメ業界において大きな影響を与えていると言えるでしょう。

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