ラマーディー

ラマディは、イラクのアンバール県に位置する都市で、首都バグダードから西へ約110kmの場所にあります。アンバール県最大の都市であり、ユーフラテス川を挟んで市街地が広がっています。1879年にオスマン帝国によって建設され、2004年時点での人口は約45万人。住民の多くは、ドゥライム部族連合にルーツを持つスンニ派イスラム教徒です。イラク西部のスンニー・トライアングルと呼ばれる地域に位置しています。

ラマディは、ユーフラテス川沿いの戦略的な要衝であり、シリアやヨルダンといった国々への西の玄関口としての役割を果たしてきました。そのため、古くから交通や民族の交差点として栄え、交易によって発展しました。しかし、その戦略的重要性ゆえに、二度の世界大戦やイラク戦争、イラク内戦など、数々の紛争の舞台となってきました。特に、イラクを占領したアメリカ軍に対する抵抗運動が激化し、都市は大きな被害を受けました。

2011年に米軍が撤退を開始すると、ラマディはイラク政府と過激派組織ISILとの間で激しい争奪戦が繰り広げられることになります。そして、2015年5月にはISILによって占領されてしまいました。

しかし、イラク政府軍は、国際的な支援を受けながら反撃を開始し、同年12月28日、ついにラマディをISILから奪還することに成功しました。この勝利は、イラク政府にとって、ラマディでの敗北から約7ヶ月後の大きな軍事的成果となりました。

ラマディは、その地理的な重要性から、今後も地域の安定に大きく影響を与える都市として注目されています。復興への道のりは険しいものの、住民たちの努力によって、再び平和な都市として発展していくことが期待されています。

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