ラミリーズ (戦艦・2代)

イギリス戦艦ラミリーズ：激動の航跡

ラミリーズ (HMS Ramillies) は、イギリス海軍が誇るリヴェンジ級戦艦の1隻です。その艦名は、1706年のラミイの戦いを記念して名付けられ、長きにわたって受け継がれてきました。本艦は1913年11月12日に起工、第一次世界大戦中の1917年5月に竣工しました。進水時の舵の損傷により、就役が1年遅れたものの、その間にイギリス戦艦として初めて対水雷防御用バルジを装備。この改良により、ラミリーズは理想的な射撃プラットフォームとなりました。

第一次世界大戦と戦間期

竣工後、ラミリーズはグランドフリート第一戦艦戦隊に配属。大戦中はダズル迷彩を施され、敵の視覚認識を妨げる効果的な迷彩として機能しました。本級ではラミリーズと姉妹艦リヴェンジのみが、このダズル迷彩をまとっていたと言われています。1920年にはトルコとの対立を受け、地中海に派遣され、海岸砲撃任務にも従事しました。

第一次世界大戦後、グランドフリートの解散に伴い大西洋艦隊に編入され、その後も大西洋艦隊、地中海艦隊を転々とし、1932年から1934年にかけて大規模な修理を受けました。1935年末にはジブラルタルに派遣され、1936年から1939年にかけては地中海艦隊の練習艦として活躍。1937年にはジョージ6世の戴冠記念観艦式にも参加しました。第二次世界大戦の勃発時点では、リヴェンジ級戦艦は他国主力艦と比較して速力が遅く、防御力や対空兵装も貧弱であったため、主に船団護衛任務が主任務となりました。

第二次世界大戦での活躍

1939年9月の第二次世界大戦勃発直後、ラミリーズは北大西洋でドイツ商船の帰還阻止作戦に参加。その後、兵員輸送船団の護衛任務に従事し、インド洋に進出したドイツのポケット戦艦「アドミラル・グラーフ・シュペー」の捜索にも参加しました。捜索任務後も船団護衛を続け、1940年5月には地中海の情勢悪化に伴い地中海に派遣されました。イタリア参戦後は、主に船団護衛任務に従事しつつも、イタリア軍への艦砲射撃も行いました。

1941年2月には、北大西洋でドイツ戦艦「シャルンホルスト」と「グナイゼナウ」と遭遇しましたが、ドイツ側は優勢な敵との交戦を避けたため、戦闘には至りませんでした。5月には、戦艦「ビスマルク」迎撃作戦にも参加予定でしたが、直前に命令が変更され参加は叶いませんでした。同年10月には、極東の第3戦艦戦隊に配属。太平洋戦争開戦後のインド洋では、日本海軍の攻勢に遭遇し、マレー沖海戦でイギリス東洋艦隊が主力艦2隻を失うなど厳しい戦況の中、船団護衛や艦砲射撃など様々な任務に従事しました。

甲標的攻撃とその後

1942年5月、ラミリーズはマダガスカルのディエゴ・スアレス攻略作戦に参加。作戦成功後、同地に留まりましたが、日本海軍の特殊潜航艇による攻撃を受けました。甲標的からの魚雷攻撃を受け、左舷A砲塔前部に命中、弾薬庫浸水などの被害を受けましたが沈没を免れました。その後、修理のためダーバン、プリマスへと向かい、修理中に弾薬庫の上面に装甲追加や対空火器の増強などの改良工事が行われました。

1944年6月のノルマンディー上陸作戦では、艦砲射撃による上陸部隊支援を実施。ソード・ビーチ正面を担当し、ドイツ軍の攻撃を受けながらも、わずか一日で主砲弾を撃ち尽くす活躍を見せました。その後も、南フランス侵攻作戦にも参加。1945年1月に予備役となり、翌年売却、1949年にスクラップとして解体されました。ラミリーズは、激動の時代を生き抜いた勇敢な戦艦として、その名を残しています。

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