ラリー・クラーク

ラリー・クラーク（本名：ローレンス・ドナルド・クラーク、1943年1月19日生まれ）は、アメリカ合衆国出身の映画監督、写真家です。オクラホマ州タルサで生まれ、幼少期から写真に親しんでいました。母親が赤ちゃん専門の写真家であった影響で、13歳から家業を手伝い、写真技術を磨きました。

14歳から16歳頃には、友人とともにアンフェタミンを使用するようになり、その頃から日常的にカメラを持ち歩き、1963年から1971年までの間、自身がドラッグを使用する様子を撮影し続けました。これらの写真は、「アメリカ郊外生活の現実を暴露し、ドラッグや暴力は都市部特有の経験であるという長年の神話を打ち砕く」という皮肉を込めて発表されました。

この時期に、薬物乱用、未成年のセックス、暴力、パンクやスケートボードといったサブカルチャーに触れ、それらのテーマが後の作品にも影響を与えています。

写真集『タルサ』と『ティーンエイジ・ラスト』の制作期間中には、銃の不法所持と傷害罪で逮捕され、5年間服役するという経験もしました。

『タルサ』は、マーティン・スコセッシ監督の『タクシードライバー』やガス・ヴァン・サント監督の『ドラッグストア・カウボーイ』に影響を与えたとされています。これらの作品は、社会の暗部や若者の疎外感を描いており、クラークの作品に通じるテーマが見られます。

映画監督としてのデビューは1995年で、親交のあった映画マニアのスケボー青年、ハーモニー・コリンが19歳の時に書き上げた脚本を映画化した『KIDS/キッズ|KIDS_キッズ』が最初の作品となりました。この映画は、ニューヨークの若者たちのリアルな日常を描き、社会に衝撃を与えました。

クラークの主な監督作品は以下の通りです。

KIDS/キッズ|KIDS_キッズ (1995)
アナザー・デイ・イン・パラダイス (1998)
BULLY ブリー|BULLY_ブリー (2001)
獣人繁殖 (2002)
ケン・パーク (2002)
ワサップ! (2006)
Destricted (2006, オムニバスのポルノ映画)
Marfa Girl (2012)
Smell of us (2014,フランス映画)

写真集には以下の作品があります。

タルサ (1971)
ティーンエイジ・ラスト (1983)
パーフェクト・チャイルドフッド (1993)

ラリー・クラークの作品は、社会のタブーや若者の葛藤を赤裸々に描き出し、見る者に強烈な印象を与えます。彼の作品は、写真と映画の両分野で高く評価されており、社会に対する鋭い視点と、独特の表現方法が特徴です。

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