ラリー・マクフェイル

リーランド・スタンフォード・マクフェイル・シニア（1890年 - 1975年）は、20世紀前半のメジャーリーグにおいて、その手腕を発揮した球団経営者です。彼はシンシナティ・レッズ、ブルックリン・ドジャーズ、ニューヨーク・ヤンキースという名門球団の再建に大きく貢献しました。

1934年、マクフェイルはレッズの経営に参画し、観客動員を増やすための革新的な施策を打ち出します。その一つが、ナイトゲームの導入でした。当時としては斬新な試みであり、多くの観客が球場に足を運ぶようになり、チームの経営を立て直しました。マクフェイルがレッズに関わったのは1936年まででしたが、彼の築いた基盤の上に、レッズは1939年と1940年にリーグ優勝を果たしています。

1938年、マクフェイルはドジャーズの経営を引き継ぎます。ここでも彼は大胆な改革を実行しました。まず、ベーブ・ルースをコーチとして招聘し、話題を呼びます。彼の経営手腕により、ドジャーズは1920年以来となる黒字を達成しました。マクフェイルが経営に加わってから1957年までの20年間で、ドジャーズは7度のリーグ優勝を飾る強豪チームへと変貌を遂げました。

1941年、ドジャーズは21年ぶりのリーグ優勝を果たします。しかし、その祝勝会の最中、マクフェイルは監督のレオ・ドローチャーが選手たちを船で移動させていることを知らず、チームがグランドセントラル駅に到着するものと勘違いして、駅のプラットフォームで待ちぼうけを食らうという失態を演じてしまいます。この件で激怒したマクフェイルはドローチャーを解雇しようとしましたが、翌年自身が第二次世界大戦に従軍することになったため、ドローチャーはその後も引き続きドジャーズの監督を務めることになりました。

1942年、マクフェイルは第二次世界大戦に陸軍兵として従軍します。その間、ドジャーズの経営権は彼の友人であったブランチ・リッキーに移りました。戦後、マクフェイルはヤンキースの経営に加わりますが、1947年、ヤンキースがドジャーズを破ってワールドシリーズを制覇した祝勝会で泥酔し、記者を殴打、球団経営からの辞任を宣言するという騒動を起こします。翌日、共同経営者であったトッピングとウェッブが彼の持つ球団経営権を買い取り、マクフェイルはヤンキースの経営から完全に退きました。

1975年、マクフェイルはフロリダ州マイアミで85歳で亡くなりました。1978年には、その功績が認められ、アメリカ野球殿堂入りを果たしました。息子のリー・マクフェイルも後にアメリカンリーグの会長を務め、1998年に親子揃って野球殿堂入りを果たしています。

リーランド・スタンフォード・マクフェイル・シニアは、その革新的な経営手腕と型破りな行動で、メジャーリーグの歴史に大きな足跡を残しました。

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