リー・マクフェイル

リー・マクフェイル（Leland Stanford MacPhail Jr.、1917年10月25日 - 2012年11月8日）は、アメリカンリーグの第5代会長として知られています。彼は球団運営、リーグ運営において多岐にわたる役職を歴任し、その功績は野球界に深く刻まれています。

サワースモア大学を卒業後、1941年にインターステートリーグの運営管理者としてキャリアをスタートさせました。1948年から1958年までの11年間は、ニューヨーク・ヤンキースの選手責任者としてチームを支え、その間ヤンキースは9度のリーグ優勝を果たしました。彼のリーダーシップは、ヤンキースの黄金時代を築く上で重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

その後、1958年からはボルチモア・オリオールズの代表兼ゼネラルマネージャーに就任し、チームを牽引しました。1965年には、当時のコミッショナーであったウィリアム・エッカートの主席補佐役も務めています。1966年にオリオールズがワールドシリーズを制覇した後、再びヤンキースの運営に復帰し、1973年までその職にありました。

1973年、マクフェイルは第5代アメリカンリーグ会長に就任。約10年の在任期間中には、1977年のリーグ球団拡張（トロント・ブルージェイズとシアトル・マリナーズの加盟）や、アメリカンリーグにおける指名打者制度の導入など、リーグの発展に大きく貢献しました。また、1983年からは、メジャーリーグ機構と選手組合との間の仲介役も務めています。

1983年7月、ニューヨーク・ヤンキース対カンザスシティ・ロイヤルズの試合で発生した「パインタール事件」では、アメリカンリーグ会長としてロイヤルズからの提訴を受け付け、物議を醸しました。彼は審判の判定を覆し、ロイヤルズのジョージ・ブレットの逆転本塁打を有効と裁定、試合の再開を命じるという大胆な決断を下しました。

1998年には、その長年の功績が認められ、アメリカ野球殿堂入りを果たしました。彼は交響楽を愛好し、リーグの全てのフランチャイズ都市でのコンサートに出席したという一面も持ち合わせていました。彼の父親であるラリー・マクフェイルも、シンシナティ・レッズやブルックリン・ドジャースなどの経営に携わり、1978年にアメリカ野球殿堂入りを果たしています。また、息子のアンディ・マクフェイルは、1980年代後半以降、ミネソタ・ツインズのゼネラルマネージャーやシカゴ・カブスの球団代表などを歴任しています。

リー・マクフェイルは2012年11月8日、フロリダ州デルレイビーチの自宅で95歳でその生涯を閉じました。彼の野球界への貢献は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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