ラルフ・カイナー

ラルフ・マクファーラン・カイナー

ラルフ・マクファーラン・カイナー（1922年10月27日 - 2014年2月6日）は、アメリカのプロ野球選手として知られる元外野手で、特にピッツバーグ・パイレーツでの活躍が際立っています。彼はニューメキシコ州サンタリタで生まれ、右投右打の選手としてキャリアをスタートさせました。

現役時代における輝かしい業績

1946年にカイナーはピッツバーグ・パイレーツにデビューし、すぐに本塁打王のタイトルを獲得しました。続く1947年と1949年のシーズンでは、それぞれ50本以上のホームランを記録し、特に1949年には54本のホームランを放ち、これはナショナルリーグの歴史においても重要な記録の一つです。彼は、デビューから1952年まで7年連続で本塁打王の座を獲得し、その右打者としての力強さは当時の野球界でも広く評価されたものとなりました。

特に彼の記録の中で注目に値するのは、1947年からの4年間で「40本塁打・100四死球」という珍しい記録を成し遂げたことです。1950年には200本塁打に到達し、これは当時の最速記録としても知られ、後にライアン・ハワードによって更新されるまで、MLBの記録として君臨しました。

しかし、背中や腰の慢性的な痛みが彼の打撃に影響を及ぼし、1953年にはシカゴ・カブスへ、1955年にはクリーブランド・インディアンスへ移籍した後、32歳で現役を引退しました。特にトレードに際しては、パイレーツのGMとの年俸交渉がうまくいかなかったため、カイナーはチームを去ることになったと言われています。

引退後のキャリア

引退後のカイナーは1961年からシカゴ・ホワイトソックスで解説者として活動を始め、1962年からはニューヨーク・メッツのラジオとテレビ中継に携わりました。彼は2014年の死去まで、およそ52年もの長きにわたる解説者活動を展開し、特に地元の放送チャンネルWWOR-TVでの「カイナーズ・コーナー」という番組コーナーは多くのファンに親しまれました。

彼のキャリアにおいても、1975年にはアメリカ野球殿堂に選出され、1984年にはニューヨーク・メッツの球団殿堂にも名を刻みました。また、1987年には自身の背番号「4」がパイレーツによって永久欠番として指定されるなど、多くの栄誉が彼に与えられています。

カイナーは、生涯にわたり強打者としてのプライドを保っており、彼の有名な言葉「ホームランヒッターはキャデラックに乗る。シングルヒッターはフォードに乗る」はその象徴とも言えるでしょう。2014年2月6日、老衰により91歳でこの世を去った彼の功績は今なお多くの人々に語り継がれています。

特にメッツは彼の長い解説者としての貢献を称え、背番号代わりにマイクロフォンの形で永久欠番として顕彰しました。MLB史上、選手としての背番号と功労者としての両方で永久欠番が存在するのはカイナーただ一人となっています。

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