『ランウェイ24』は、
2019年7月7日から同年
9月22日にかけて、
朝日放送テレビの制作により「
ドラマL」枠で放送された日本の
テレビドラマシリーズです。主演を務めたのは俳優・モデルの
朝比奈彩。本作は、関西国際空港を拠点とするローコストキャリア(LCC)である「Peach Aviation」の全面協力を得て、そのリアリティを追求して制作されました。
物語の内容と焦点
このドラマでは、主人公である副操縦士の井上桃子をはじめ、「Peach」で働く様々な部署の社員たちの日常と奮闘が描かれます。単にパイロットの仕事に焦点を当てるだけでなく、LCC特有の厳しいコスト管理、利用客へのサービス品質向上への取り組み、そして運航中に発生する予期せぬトラブルへの対応といった、航空会社の運営に関わる多岐にわたる課題がリアルに描写されています。
桃子が一人前の機長を目指す過程での技術的な挑戦はもちろん、会社の経営状況や利益確保のために現場レベルで求められる創意工夫、そして安全な運航を支える地上スタッフや客室乗務員との連携の重要性が強調されます。航空業界という特殊な環境の中で、それぞれの立場から会社の成長と自身のキャリアに向き合う人々の姿、困難を乗り越えるためのチームワークと互いを支え合う絆が物語の中心に据えられています。挫折や苦悩を経験しながらも、前向きに成長していく若者たちの姿を描いた青春群像劇としての側面も持ち合わせています。
主な登場人物
ドラマを彩る主要な登場人物たちは、「Peach」で働く個性豊かな社員たちや、主人公を支える人々です。
井上桃子(演:朝比奈彩):本作の主人公。明るくひたむきな「Peach」の女性副操縦士。
海野大介(演:犬飼貴丈):桃子の恋人。和菓子職人を目指しながら、桃子を温かく見守ります。
香月徹也(演:白石隼也):桃子の同僚。中途入社した優秀な副操縦士で、後に機長に昇格します。
山村一郎(演:ko-dai):情熱的でムードメーカーの男性客室乗務員。
浅野あかり(演:傳谷英里香):冷静でプロ意識の高い女性客室乗務員。
斎藤菜々子(演:蜂谷晏海):経験豊富で頼りになる女性客室乗務員。
島崎翔一(演:猪野学):地上から安全運航を支える運航管理者(ディスパッチャー)。
新開浩平(演:長谷川朝晴):桃子たちの先輩にあたるベテランパイロット。
*
淀川勝(演:小倉久寛):「Peach」の
最高経営責任者(CEO)。会社の顔として登場します。
これらの登場人物が、それぞれの仕事や人間関係を通じてドラマを展開させていきます。
制作陣と音楽
脚本は
奥山雄太氏らが担当し、物語を紡ぎました。監督は
松本花奈氏、
西原孝至氏らが務め、リアルかつドラマチックな映像を作り上げています。制作著作は
朝日放送テレビ、制作協力は
ファインエンターテイメントです。
ドラマの主題歌には杏沙子の「ファーストフライト」が、エンディングテーマには
番匠谷紗衣の「自分だけの空」が起用され、空へと飛び立つ希望や働く人々の心情を表現し、作品世界を盛り上げました。
放送日程と関連コンテンツ
本放送は基本的に毎週日曜深夜に行われましたが、期間中にはスポーツ中継(全英オープンゴルフなど)による休止や、夏の高校野球期間中の特別編成による放送時間繰り下げなど、イレギュラーな対応もありました。
また、本放送と連動する形で、動画配信サービス
GYAO!ではオリジナルスピンオフとなる「チェインストーリー」が各話の間に配信されました。これは本編では描ききれない登場人物たちの裏側や日常の些細な出来事を描くもので、ドラマの世界観をより深く掘り下げるコンテンツとして提供されました。特定のキャストが主演する形で、計10.5話まで配信されました。
『ランウェイ24』は、航空業界という魅力的な舞台で働く人々のリアルな苦悩と喜び、そしてチームとして困難に立ち向かう姿を丁寧に描き出した、爽やかなヒューマンドラマとして多くの視聴者に届けられました。