ランティス組曲 feat.Nico Nico Artists

ランティス組曲 feat. Nico Nico Artists

「ランティス組曲 feat. Nico Nico Artists」は、2008年3月5日に発売されたシングルで、動画共有サイト「ニコニコ動画」で活躍する歌い手が集結し、ランティスからリリースされた34曲をメドレー形式で繋げた楽曲です。楽曲の編曲はElements Gardenの上松範康と菊田大介が担当し、ライブ感あふれる仕上がりとなっています。

概要

本作は、ニコニコ動画とランティスの公式コラボレーションによる初の試みで、人気歌い手11人が参加しています。歌い手たちは、ニコニコ動画内で人気を博し、いずれも個性的なスタイルで知られています。彼らは、2008年1月から2月にかけて次々に発表され、レコーディング当日には、急遽ガゼルが飛び入り参加することになりました。

制作の背景

このプロジェクトを手掛けたのは、ドワンゴのプロデューサー齋藤光二氏。彼は、人気の歌い手たちを集めてライブイベントを開催したいと考え、権利関係をクリアにした音源を提供することで、ユーザーと一緒に楽しむ場を作り出そうとしました。このアイデアは2007年の秋ごろから温められ、企画が実現に向けて動き出しました。

しかし、CD化やライブ化を進める上で、権利問題が大きな障壁となりました。そこで、齋藤氏は、ランティスに協力を求め、そこで待った斎藤滋氏と意気投合し、本作の制作が始まりました。

参加者選出の過程

齋藤氏は、初期のニコニコ動画時代から活動している歌い手の中から、ユニークな声やキャラクターを持つアーティストを選定しました。具体的には、歌唱の際に個性を生かし、全員がハーモニーを楽しめるようなメンバーを揃えたとのこと。15人以上の歌い手が候補に挙がる中で、調整が進められ、最終的に11人が集まりました。

レコーディングの様子

レコーディングでは、全員が同じ時間・同じ場所に集まり、まるでオフ会のように楽しみながら進めることが重要視されました。この「声のオーケストラ」を意識し、歌い手同士のコミュニケーションも重視されました。歌い手たちはメールで情報を共有し、楽曲についてアイデアを交換しながら親交を深めました。

録音の際には、12人編成のストリングスが用意され、通常のアニメソングよりも豪華な仕様となりました。スタジオでの歌入れは18時間にわたり、参加者同士の交流も含めた和気あいあいとした雰囲気で進行されました。

作風とパッケージ

本作の方向性は、「多様性」や「生々しさ」を重視し、完全無欠なものではなく多少のグダグダ感があっても楽しさを重視しました。そのため、参加者たちのキャラクターを活かしたパフォーマンスが多く見受けられます。また、ジャケットアートは、ニコニコ動画のインターフェースを模したデザインが施され、参加者の名前もその中に表記されています。

評価と反響

オリコンでのデイリーチャートでは発売初日9位という好成績を記録しましたが、一方で、編曲や選曲への批判も多く寄せられました。特にニコニコ動画ユーザーからは「歌い手の個性が失われた」との声があがりましたが、これに対して齋藤氏は「批判は想定内」とし、注目を集める方が評価されると語っています。

その後、徐々に批判が緩和され、リピートするうちに楽曲への理解が深まったとのコメントも増え、最終的には「するめ組曲」とも称される結果に至りました。これにより、ニコニコ市場ランキングでも再び3位に復帰し、再評価されることになるのです。

カバーと別バージョン

その後、様々なメディアでカバーが行われ、特に2008年にはダンスイベント用に新たなアプローチがされるなど、受け継がれる作品となりました。また、2014年には15周年に向けた新たな組曲作品も発売されています。

このように「ランティス組曲 feat. Nico Nico Artists」は、ニコニコ動画と音楽業界の新たなコラボレーションとして、瞬時に大きな影響を与え、今もなお語り継がれている重要な作品となっています。

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