音源

音源とは、広義には音が発生する場所や物体を指し、狭義には電子的に音を生成する機構や回路を意味します。例えば、電子楽器の心臓部である楽音生成部や、それをモジュール化した音源モジュールなどが挙げられます。

音源の分類は多岐にわたりますが、代表的なものとして以下のような方式があります。

PSG (Programmable Sound Generator) / SSG (Software Sound Generator): 比較的シンプルな構造で、矩形波などの基本的な波形を生成する音源です。初期のゲーム機やパソコンなどに多く用いられました。
FM[[音源]] (Frequency Modulation Synthesis): 周波数変調を利用して複雑な音色を生成する音源です。1980年代の電子楽器やゲーム機で広く採用されました。
LA[[音源]] (Linear Arithmetic Synthesis): サンプル波形をベースに、エンベロープやフィルターなどの処理を加えることで音色を生成する音源です。PCM[[音源]]の先駆けとも言えます。
PD[[音源]] (Phase Distortion Synthesis): 位相歪みを利用して音色を変化させる音源です。FM[[音源]]と同様に、複雑な音色を作り出すことができます。
PCM[[音源]] (Pulse Code Modulation): 録音された音をデジタルデータとして扱います。サンプリングされた波形を再生することで、よりリアルな音を再現できます。現代の音源の主流となっています。
波形メモリ[[音源]] (Wavetable音源): PCM[[音源]]の一種で、複数の波形をテーブルとして保持し、それを組み合わせて音を生成します。より複雑な音色や表現を可能にします。
物理モデル音源: 楽器の物理的な構造や動作を数学的にモデル化し、それに基づいて音を生成する音源です。より自然な音色を再現できるとされています。

これらの音源方式は、一つのチップに複数の方式が実装されていることもあります。また、近年の技術発展により、DSP(Digital Signal Processor)のような信号処理に特化したプロセッサや、汎用CPUを用いて音声波形を処理するソフトウェア音源も普及しています。さらに、メロディICのように、あらかじめデータが書き込まれた音源も存在します。

また、パソコンの仕様策定においては、快適なオーディオ再生を実現するための最低要求水準が定められており、代表的なものとして以下のようなものがあります。

Audio Codec 97 (AC'97): かつて多くのパソコンに搭載されていたオーディオコーデックの規格です。
HD Audio (High Definition Audio): AC'97の後継規格で、より高音質なオーディオ再生を可能にします。

さらに、共通規格という観点からは、MIDI音源(MIDI: Musical Instrument Digital Interface)も重要な分類となります。MIDI音源は、電子楽器間の演奏情報をやり取りするための規格で、様々な楽器や音源モジュールを制御することができます。

音源は、私たちの生活の中で様々な形で利用され、音楽制作やゲーム、コミュニケーションなど、幅広い分野で重要な役割を果たしています。その技術は日々進化しており、今後もさらに多様な音を生み出すことができるようになるでしょう。

関連項目

パースペクタ・ステレオ
* 内蔵音源

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