ランドローバー・フリーランダー

フリーランダー (FREELANDER)

フリーランダーは、イギリスのランドローバー社が製造した軽快なSUVで、多様な地形を走破する能力を備えたモデルです。この車は、親会社であるインドのタタ自動車の傘下にあるランドローバーが展開する数々の車種の中でも特にコンパクトな部類に位置しています。

初代フリーランダー (1997年-2006年)

初代フリーランダーは1997年に登場しました。日本向けには、ローバー75と共通の2.5リッターV6ガソリンエンジンを搭載し、5速オートマチックトランスミッションが選ばれました。車体形式としては、5ドアモデルとソフトトップ仕様の3ドアモデルがありましたが、日本では2003年のマイナーチェンジ時に3ドアの生産が終了しています。

このモデルは、ランドローバーとして初めてラダーフレームとモノコックボディを組み合わせた構造を採用しており、高い強度を誇ります。また、「Go anywhere Vehicle」というキャッチフレーズのもと、4輪電子制御トラクションコントロール(ETC)やヒル・ディセント・コントロール(HDC)、電子制御制動力配分システム(EBD)などの先進的な装備を導入し、走行性能を高めました。デザインは、現在もランドローバーのチーフデザイナーを務めるジェリー・マクガバン氏によって手掛けられました。

1997年12月には欧州で発売が開始されましたが、当初は直列4気筒エンジンのマニュアルシフトのみでした。その後、2001年には新たにV6エンジンとオートマチックモデルが導入され、日本市場でも販売が開始されました。さらに2003年のマイナーチェンジでは、ヘッドライトのデザインや内装が刷新され、高級感が増しました。2006年には販売終了となりましたが、このモデルはランドローバーの成功に確かな足跡を残しました。

2代目フリーランダー (2006年-2014年)

2代目フリーランダーは、2006年の英国国際モーターショーで発表され、北米ではLR2として、その他の地域ではフリーランダー2として販売されました。エンジンはボルボ・S80と同じ直列6気筒の3.2Lガソリンエンジンと、フォードとPSAグループによる2.2Lのディーゼルエンジンが選択可能です。特に日本では直列6気筒モデルのみが提供されました。

この新しいフリーランダーは、SUVらしからぬ軽快で機敏な走りを実現しつつ、オフロード性能も優れています。特に、ランドローバーが開発したテレインレスポンス機能が搭載され、四輪駆動における運転の快適さを向上させました。ただし、エアサスペンションは装備されていないため、オフロードモードは4種類の設定に制限されます。

多くの先進的な電子デバイスが標準装備され、特にEUで行われる衝突安全試験であるEuro NCAPではコンパクトSUVとして初めて5つ星を獲得し、その安全性が高く評価されました。2013年モデルからは、ダウンサイジングされた2リッターターボエンジンへの切り替えが行われました。

日本市場では、初めてガソリンエンジンモデルが2007年に導入され、グレードは上級モデルのHSE、基本グレードのSE、廉価版のSの3種類が用意されました。その後も改良や特別仕様車の発表が続きましたが、2014年には「ファイナルエディション」が発売され、販売の幕を下ろすこととなりました。

フリーランダーは、その洗練されたデザインと多機能性により、多くのファンを魅了したSUVです。代を重ねながらも、オフロードと日常使いの両方で高いパフォーマンスを維持したこの車両は、ランドローバーのラインアップにおいて特別な位置を占めています。

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