直列4気筒

直列4気筒エンジンの全貌

直列4気筒エンジンは、シリンダーが一列に配置されたレシプロエンジンの形式の一つで、特に自動車とオートバイにおいて広く用いられています。現在の乗用車の多くはこのエンジン形式を採用しており、燃費や出力に応じた多様なバリエーションが存在します。

自動車での直列4気筒エンジンの概要

乗用車や商用車では、直列4気筒エンジンは非常に一般的な選択肢とされています。燃料効率を高めるためのミラーサイクルから、ターボチャージャーを装備した高出力タイプまで、多種多様なモデルが展開されています。一般的な排気量は1.0Lから2.5Lで、特に最近ではエコ意識の高まりからハイパワーモデルにも直4エンジンが使われるようになっています。

二次振動が問題とされることがあり、この振動を抑えるためにバランスシャフトが導入されることもありますが、完全に振動を消すのは困難です。従来は直4エンジンは主に小型・中型の大衆車向けとして使用されてきましたが、近年では高級車や大型車においても直4ターボの導入が進んでいます。一方、排気量が1.5L前後のモデルは直列3気筒に取って代わられつつあるなど、直4エンジンも時代の流れに影響を受けています。

市販モデルと競技用

市販車で最も小さい直4エンジンは1963年に登場したホンダ・T360で、その排気量はわずか354cc。軽自動車規格が660ccに変更されて以降も、一時はこの形式の直4エンジンが盛んに生産されていましたが、燃費重視の時代潮流により、直列3気筒への移行が進みました。

逆に、直4ディーゼルエンジンの中では1961年のポンティアック・テンペストの3,188ccエンジンが最も大きな排気量を誇ります。三菱自動車は1970年代に独自のバランスシャフト技術を開発し、さまざまな排気量での直4エンジンの性能向上に寄与しました。

競技用車両においても直4エンジンは多く使用されており、WRCやWTCCといったレースでは1.6～2.0Lの直4ターボが一般的です。特にBMWなどブランドアイコンに直6エンジンが用いられがちなメーカーでも、競技では直4を採用するケースが多く見られます。F1でも1970年代末にターボ技術により再び人気を博しました。

オートバイにおける直列4気筒の役割

オートバイでは、直列4気筒エンジンはしばしば『並列四気筒』とも呼ばれ、そのスタイルから多くのモデルが採用されています。一般的にこの形式は250ccから1,400ccの範囲で存在し、特にスポーツバイクにおいては主流の配置です。

近代的な直列4気筒エンジンの先駆けは1966年のMVアグスタによるもので、1970年代にはホンダ・CB750FOURがその名を広めました。このモデルの成功は、多くのオートバイメーカーに影響を与え、直列4気筒エンジンが主流となる契機となりました。

近年では、高性能を求めるモデルにおいて直列4気筒がほぼ必須になっていますが、特に高速走行性能が重視されるため高回転域の性能に特化したセッティングが施されています。

まとめ

直列4気筒エンジンは、その効率性とパフォーマンスから、自動車及びオートバイの両方で広く採用されてきました。競技用車両でもその特性を活かし、数多くの成功を収めています。直4エンジンの進化はこれからも続くでしょうし、それに伴いさまざまな新技術が登場することが期待されます。

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