ラヴドライヴ

ラヴドライヴ

『ラヴドライヴ』（LOVEDRIVE）は、ドイツが誇るヘヴィメタルバンド、スコーピオンズによって1979年に発表された、通算6枚目となるスタジオアルバムです。

アルバムの背景とメンバー変遷

前作にあたるライブアルバム『蠍団爆発!! スコーピオンズ・ライヴ』を最後に、バンドのギタリストであったウリ・ジョン・ロートが脱退。その後任として、本作から新たにマティアス・ヤプスが正式メンバーとしてバンドに加わりました。

さらに特筆すべきは、ルドルフ・シェンカーの実弟であり、当時UFOを脱退していたマイケル・シェンカーがゲストミュージシャンとして参加している点です。彼は「Another Piece Of Meat」を含む3曲でギターをプレイしており、このアルバムに伴うツアーにもゲストとして出演し、ファンを沸かせました。

作品の特徴と評価

本作は、スコーピオンズにとって大きな転換点となった作品です。特に商業的な側面において、それまでの彼らの作品では成し得なかった、イギリスおよびアメリカの主要アルバムチャートへの初ランクインを果たしました。これは、バンドの国際的なブレイクに向けた重要な一歩となりました。

アルバムのジャケットデザインは、ピンク・フロイドなどの作品で知られる伝説的なアート集団、ヒプノシスが手掛けており、その印象的なビジュアルも話題となりました。

収録曲

オリジナル盤には以下の8曲が収録されています。

Loving You Sunday Morning (5:36)
作詞：クラウス・マイネ、ハーマン・ラレベル / 作曲：ルドルフ・シェンカー
Another Piece Of Meat (3:30)
作詞：ハーマン・ラレベル / 作曲：ハーマン・ラレベル、ルドルフ・シェンカー
Always Somewhere (4:56)
作詞：クラウス・マイネ / 作曲：ルドルフ・シェンカー
Coast To Coast (4:42)
作曲：ルドルフ・シェンカー
Can't Get Enough (2:36)
作詞：クラウス・マイネ / 作曲：ルドルフ・シェンカー
Is There Anybody There? (3:58)
作詞：クラウス・マイネ、ハーマン・ラレベル / 作曲：ルドルフ・シェンカー
Lovedrive (4:49)
作詞：クラウス・マイネ / 作曲：ルドルフ・シェンカー
Holiday (6:32)
作詞：クラウス・マイネ / 作曲：ルドルフ・シェンカー

2015年にリリースされたリマスター盤には、ボーナス・トラックとして以下のデモ音源が追加収録されています。

'Cause I Love You (Demo Version)
作詞：クラウス・マイネ / 作曲：ルドルフ・シェンカー
Holiday (Demo Version)

参加ミュージシャンとスタッフ

この作品の制作には、以下のメンバーおよびスタッフが関わっています。

ミュージシャン

クラウス・マイネ (Klaus Meine) – リード・ボーカル
マティアス・ヤプス (Matthias Jabs) – リード・ギター、バッキング・ボーカル
ルドルフ・シェンカー (Rudolf Schenker) – リズム・ギター、バッキング・ボーカル
フランス・ブッフホルツ (Francis Buchholz) – ベース、バッキング・ボーカル
ハーマン・ラレベル (Herman Rarebell) – ドラムス、バッキング・ボーカル
マイケル・シェンカー (Michael Schenker) – リード・ギター、バッキング・ボーカル (ゲスト参加)

スタッフ

ディーター・ダークス (Dieter Dierks) - プロデューサー、エンジニア、ミキサー
* スティーブ・ファローン (Steve Fallone) - マスタリング

50周年記念エディション

2015年11月18日には、バンドのデビュー50周年を記念し、『ラヴドライヴ（50thアニバーサリー・デラックス・エディション）』（品番: SICX-30013/4）が発売されました。この記念盤は、新規リマスターされたオリジナルアルバム音源や未発表のデモ音源を収録したCDに加え、1979年に日本の新宿厚生年金会館で行われた『ライヴ・イン・ジャパン1979』の模様を収めたDVDがセットになった豪華な内容となっています。

『ラヴドライヴ』は、メンバーチェンジを経ながらも新たなサウンドへの一歩を踏み出し、バンドの国際的な成功の扉を開いた、スコーピオンズの歴史において非常に重要な位置を占めるアルバムと言えるでしょう。

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