ラ・グアイラ

ラ・グアイラは、ベネズエラ中北部、ラ・グアイラ州バルガス市に位置する重要な港湾都市であり、同州の州都でもあります。この都市は、バルガス市を構成する行政教区の一つでもあり、2019年の推定人口は約20,309人です。

歴史

ラ・グアイラの歴史は、スペイン人が南アメリカに到達した時代に遡ります。当時、この地には「ウアイラ」と呼ばれるインディオの集落が存在していました。1577年、ディエゴ・デ・オソリオによって、ウアイラの地に「サン・ペドロ・デ・ラ・グアイラ」という名で町が建設されました。これが、現在のラ・グアイラの起源です。

スペイン植民地時代、ラ・グアイラは近隣の都市カラカスとの関係で重要な役割を担うようになりました。カラカスは約13キロメートル内陸に位置し、その発展とともにラ・グアイラは外港として発展し、重要性を増していきました。大西洋からの物資は、まずラ・グアイラの港に運び込まれ、そこからカラカスへと輸送されました。

地理的特徴

ラ・グアイラとカラカスの間には、アビラ山がそびえ立っています。この山が、両都市間の交通を困難にしていました。植民地時代には、「スペイン人王道」と呼ばれる山越えの道が用いられていましたが、これは険しく、時間もかかるものでした。その後、タカグア沢の谷を回る幹線道路が建設され、高架とトンネルを多用するカラカス＝ラ・グアイラ街道が整備されました。これにより、両都市間の交通は大幅に改善されました。

19世紀には、鉄道が敷かれたこともありましたが、これは短命に終わり、現在は廃止されています。鉄道の廃止後、カラカス＝ラ・グアイラ街道が、両都市を結ぶ主要な交通路としての役割を担っています。

ラ・グアイラは、その地理的な位置と歴史的な経緯から、ベネズエラの貿易と経済において重要な役割を果たしてきました。現在でも、主要な港湾都市として、国内外の物資の輸送拠点となっています。

もう一度検索